夢で見た謎の物語

クロビス

ムジナ

あるコンビニで、二人仲睦まじい男女の店員がいた

その二人は成長し、そして付き合った

男の方は就職し、日々を生きる

上司に過度にイビられながら

所謂パワハラである

その日々を耐え抜きようやく結婚……

しかし、何か様子がおかしい

その男女はそこにいた黒ローブを纏った者に伝えられる

「アナタ達、死んでます。」

状況が飲み込めるハズがない

淡々と出た"事実"

そして次に

「アナタ達は、殺されました。」

と指差したのは式に呼んだ覚えはないが居たパワハラ上司、とその更に上の者

二人の死体を眺めている、笑みが溢れぬよう堪えている表情なのだろうか

照明を落とすなんて出来たのは元々殺意があったハズ

そのトリガーを引く案件がこのケチャップである

しかしもうどうにもならない

そんなこと聞いてどうするんだと嘆いていると

「チャンスあります。

時戻って原因取り除いて下さい。

"理不尽な死人サービス"、やりましょう。」

驚愕、しかし飲まないわけに行かなかった

「わかった、やらせてくれ!」

そう言うと夫婦共々時間が戻り

上司にイビられているところに戻る

そして、黒ローブを纏った者に剣を渡される

「人は消せない、物は消せる。

それで原因を消していく。

原因は見える。」

原因を消す。

つまりグラスと照明か?

そして、原因は取り除かれ、配置につくよう促される。

事件が起きる、その前の配置に。

正直怖い、だがやるしかないと配置につく。

……新郎新婦の挨拶、しかし何も起こらない。

上司も穏やかな表情を取り繕ってるが、何も起こらないことにただならぬ焦り具合。

グラスを投げた姪も困惑。

無事結婚式を終え、日常に戻る。

だが、仕事先は変え引っ越しもした。

正味、元上司を殺してやりたい気持ちはあったが、同じ穴のムジナになるよりはただゆっくり生きていたい。

そう願った夫婦だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る