第40話 燈球探索10 炎岳1

深呼吸をして、大丈夫と心に言い聞かせながら、扉を開けた。


青が空に飛び散り、晴れ渡る。


薄く淡い水色が視界に映し出された。


木々が囁き、優しく揺れる。


もしかしたら、死ぬのかもしれない。


そう考えると、どんな生命の瞬きも強く感じてしまう。



「今日の落下地点は、炎岳(ほのおだけ)だって」


炎岳は5キロほど離れた地点にある活火山だ。


青色の山肌が特徴的で、観光地としても、多くの人に知られている。



「あと、どのくらい?」


少し疲れたなと思って、訊いてみる。


「半分くらいだな」



パシュ。


鋭い音が耳に響いて、心に危機感を生む。


「緊急事態だ。炎岳が噴火した」


声が震え、喉の奥からかすれたの絵が漏れる。



「それって、燈の玉取れるんですか?」


「近く、年か書いていないから詳しいことはわからないが壊滅的だろうな」



急ぎ足になって、予定より10分ほど早く着いた。


消防用のホースから水しぶきが上がり、盛んに消防活動が行われている。


一部の炎狩人と消防士によって、せわしなく進められていて、その近くを炎狩人や市民の方が不安そうに見守っている。


「すみません。今、どんな状況なんですか?」


「ああ。やはり、あの火山の中に燈の玉が落ちてしまったらしいな」


悶々とした焦りとともに、不安が高鳴っていく。


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