道具(和風)編 アンサー

 というわけで、まずは「川床 赤い傘 名前」で検索。

 候補が二つ出てきました。


「番傘」

17世紀後半に登場。和傘の一種で、雨傘のこと。

丈夫で値段が安いため、庶民でも使えるように。

元々傘は高貴な人間に差し掛けられるもので、庶民は蓑笠や合羽などで雨を避けていた。

店の名前と番号を傘に書き、客に無料で貸して宣伝していたので、「番傘」という名前がついた。



 番傘=和傘というわけじゃないんですね(そこから)。

 名前入りタオルと同じことをしていたから『番傘』というのも初めて知りました。『金と銀』という時代劇にも似たような宣伝があった気がします。


『あきない世傳 金と銀』

商売の才能を開花させた女主人公が、働いているお店の三人兄弟とそれぞれ結婚してはお店を繁盛させる話。



「野点傘」

野点の際に用いられる傘。茶会で豊臣秀吉が喜んだことからブームになったらしい。

高貴な人に差し掛けるための傘で、怪我をしないよう爪を折ってある。妻折傘。



 あの傘、爪が折ってあったんですね! 言われて見たら本当に先が丸かった!

 多分川床や時代劇のお茶屋さんにある傘は「野点傘」だと思います。雪世 明楽さま、正解です。おめでとうございます!


 ちなみに赤いベンチ(?)は、「縁台」に「緋毛氈ひもうせん(赤いフェルト布)」を掛けているそうです。

 ひな人形の段飾りといい、人力車といい、緋毛氈敷くと高級感増しますね。



「縁台」

主に夕涼みなどに使われた木製の腰掛け。夏の季語。店に出される縁台のことは「床几しょうぎ」とも。本来「床几」は折畳式の腰掛けのことをさす。



 ついでに時代劇に出てくるお茶屋さんについても調べてみました。



「水茶屋」

「掛茶屋」とも。道ばたや社寺の境内にあった、庶民向けの茶店。のちに団子やお餅などのお菓子を提供したり、料理と奥座敷が用意された「料理茶屋」などの派生も増えた。

「笠森お仙」「難波屋おきた」などの看板娘は喜多川歌麿などの絵師によって名が残っている。



 看板娘は芸名らしいですが、それでも後世に名前が残るってすごいですね。

 時代劇、とくに小説だと単語が難しくてわたしはあまり読めていないのですが、江戸時代の風俗はとても気になります。何かわかりやすい資料があったら教えてください。


 いつか野点傘の下で、緋毛氈が敷かれた縁台に座って、お団子とお茶をいただきたいです。



【今回の話に役に立ちそうな本】

花咲一男(監修)『大江戸ものしり図鑑』主婦と生活社

(番傘と水茶屋について書かれています)

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