自己顕示欲に溺れる文芸修行日記

酒井小言

第1話

 2010/01/05 22:00


 今日は1月5日、日記を再開するには区切りが良くないが、新年が始まって4日後なら遅くはないだろう。今までは紙に日記を書いて頭の運動を兼ねていたのも、ポメラという物書きにとってインフラである機器を知って、ああああ、文章がへた! 本当にへたくそだ! やはり日頃から文章を書いていないと、文章を書く能力が衰えてしまうようだ。


 小説もほとんど書いていない。詩的短編作品は書いたものの、気軽な短編のつもりで書き始めた「川のパーティー」が途中で止まっている。ああそうだ! 止まっている! 


 新年になって何か変わったか? たがのゆるんだ生活が昨年から引きずっている。フランス語の勉強に専念しようとも、いざとなれば指の筋トレばかりしている。まるで京都に住んでいた時のようだ。


 さて生活を改めよう。フランス語学習を柱に生活し、気が向かなくなったら日本文でも書いて気を紛らわそう。それか料理、いや料理はほどほどにしよう。食材に思考力を奪われて、やるべき事をやる時間を失ってしまう。ほどほどがいい。


 それにしても紙の日記に比べて、画面の日記は言葉の量が増える。いわば無駄な言葉が多くなる。しかし、現代の機器を使うのだから、無駄な言葉が多くてあたりまえであり、無理して言葉を制限して過去の文章を踏襲することもない。環境に合わせて自然な形で在るべきだ。


 今日は発送代行業者を見つけてしまい、衝動的に電子辞書とケース、ポメラのセミハードケースを注文してしまった。実際に必要な物だから買うことは間違っていないとしても、自らの行動力には驚かされる。頭で考えたことではなく、体が自然に反応したみたいだ。この速攻性、いや違うな、瞬発性か? ふふふ、性なんて言葉はつかわなくていい。


 ようするに単純だ。間違った電子辞書を書ってしまった→どうしよう?→新しく買い直す これがすぐ行われた。憤慨したり、思い切り後悔するが、一度寝てしまえばすっかり忘れて新たな行動へと移る。自画自賛になるが、この単純な思考回路には我ながら、ほめそやすべき・・・・・・ 変な言葉の使い方をしてはいけない!


 今日考えた、自分の基本装備を紹介します。


1、ポメラ 

2、電子辞書 

3、デジカメ 

4、iPod 

5、メモ帳 


 うん、思ったより普通だが、取材と執筆をするには、充分すぎる装備だろう。それでも強力だ。画像残せる、音声残せる、動画残せる、文章残せる、言葉調べられる、らくがきできる! 素晴らしい!


 実際ポメラは素晴らしい! 今こうして文章を書いていても不便を感じない。短編小説は書き上げられる。長編となると、ルビが使えないので、あああ! ルビの多用は控えるべきだと、文豪谷崎氏は言っていた。言及していた。程度の低い読者におもねるな!


 丁度良いじゃないか。ほら、こうして文章をかいているおかげで、眠っていた感覚がよみがえり、文章を書くという行為に感興を覚えるだろう。ああ、文章を書くと自分は長くなりすぎる。メモ帳でさえ長かったのが、ポメラのおかげでひどい長さ、無意味に冗漫な文章が残せる。これは最悪だ!


 そろそろまとめよう。ポメラは最高! 電子辞書を購入した。最近金遣いが荒い。小説書かなきゃ。フランス語勉強しなきゃ。良いルームメイトを得た。両親はお金を貸してくれるかな? 充電式電池高いな。明日の食事はどうしよう? 


 ほら、無駄な事を書いてしまう。まあ、これでいいさ。


 フランス語を勉強しながら、気分転換に日本語の文章を書こう。


2010/01/06 19:42


 今日は予定がないから、好きなだけフランス語学習ができるぞ! なんて思っていても、実際には指を動かしたり、料理をしたり、本を読んだりしてちっとも勉強なんかしていない。いや、そんなことはない、三時間ほどはしているが、それ以上はしていない。


 それなら、一日の勉強時間を約4時間ぐらいと決めて、それ以外の時間に違うことをする方が、時間を有効に使えないだろうか。指をの筋トレをするよりはよっぽどましなことができるのではないだろうか。


 それが良いと思う。やりたいことを集中してやることこそ、最大の効果を発揮すると思う。フランス語の勉強をやりたくないなら、やらなければいい。ああ、やりたくないことはしなくていい。


 今はワインを飲んでいる。酒は控えようと思っていても、ちっとも行動に現れていない。生活を改めようと思っても、ほとんど改まっていない。ええ、愚痴はやめておこう。


 両親が50万円貸してくれた。持つべき物は家族であり、助けになるのも家族である。わたしは本当に家族に恵まれたと実感する。


 ドイツの治験に合格したら、アムステルダムに行って大麻を吸おうと思った。世界旅行を一日でも早く実現したいなら、アムステルダムへ行くべきではない。フランス語を少しでも上達したいなら、参考書を買うべきだろう。ああ、理性で判断、アムステルダムへ行くな。ああ、本能に従って、大麻を吸おうか?


 抑制するべきか? それともとき放つべきか? ああ、ドストエフスキー的放埒生活を参考にするなら、アムステルダムへ行って大麻を吸おう。いや、むしろ、中国にでも行って大麻を吸うか?


 いやだめだ、フランスへ戻って、アルバイトを始めよう。会話に慣れるならアルバイトするべきだ。文語に慣れるなら本を読むべきだ。お金を貯めるなら日本に戻るべきだ。


 夏に日本に戻りたくない。プロ野球に飲み込まれて、やるべき事をやらなくなる。それなら、日本に戻るか? ああ、治験に参加するべく東京へ戻り、治験終了後に再びフランスへとわたる。そして治験を受けて帰国する。


 とにかく、日本とヨーロッパの治験に参加しよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る