二日目

二日目の朝。

外は曇り空で、山の空気がひんやりと肌を刺す。


俺は昨日のことを思い返しながら、スマホの電源を入れた。

画面は無事に映り、撮影も問題なさそうだ。


だが、気になることがあった。

昨夜の囁き声は、確かに聞こえた。だが、映像にも音声にも何も記録されていなかったのだ。


「どういうことだ?」

俺は首をかしげた。


午前中、廃墟の周囲を散策しながら、カメラで撮影した。

しかし、映像には映っていないが、足元に何度も奇妙な感触を覚えた。


まるで、誰かがついてきているような。


昼過ぎ、廃墟の壁に触れた時、冷たさが全身に走った。

まるで壁自体が息をしているかのようだった。


夕方になると、部屋の中の家具が少しだけ動いていることに気づいた。

だが、誰もいないはずだ。


「これ、いったい何なんだ?」

俺は再びカメラを握りしめた。


俺の挑戦は、早くも限界に近づいているのかもしれない。

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