二日目
二日目の朝。
外は曇り空で、山の空気がひんやりと肌を刺す。
俺は昨日のことを思い返しながら、スマホの電源を入れた。
画面は無事に映り、撮影も問題なさそうだ。
だが、気になることがあった。
昨夜の囁き声は、確かに聞こえた。だが、映像にも音声にも何も記録されていなかったのだ。
「どういうことだ?」
俺は首をかしげた。
午前中、廃墟の周囲を散策しながら、カメラで撮影した。
しかし、映像には映っていないが、足元に何度も奇妙な感触を覚えた。
まるで、誰かがついてきているような。
昼過ぎ、廃墟の壁に触れた時、冷たさが全身に走った。
まるで壁自体が息をしているかのようだった。
夕方になると、部屋の中の家具が少しだけ動いていることに気づいた。
だが、誰もいないはずだ。
「これ、いったい何なんだ?」
俺は再びカメラを握りしめた。
俺の挑戦は、早くも限界に近づいているのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます