日常のほころび―気まぐれ散歩ー

水無月白雨

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街がざわめき、景色がオレンジと黒と紫に彩られていく。

その準備の隙間には、次のイベントが赤と緑と金を輝かせて売場の敷地を少しずつ浸食していく。

その様子を横目に見ながら、一人の少年と一人の少女が白いフードを目深に被り人混みを抜けていく。


「もうすぐだね」

「もうすぐだよ」

「不思議だね」

「不思議だよ」


この地域にはお盆があるはずなのに、それ以上に力をいれるなんて


「面白いね」

「面白いよ」

「始まるね」

「始めるよ」


少年と少女はふふっと声を合わせて笑うと、路地裏へと姿を消した。

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