零度 風
こんなことに関わるんじゃなかった。知らないまま終わってれいばよかった。
これを拾った人がこの現象に興味があって調査をするのであればこの日記を役立ててください。
調査にあたっての注意事項をわかっている限り書きます。
一つ目 どんなに仲の良い人でも信頼しきらないこと
二つ目 小さな違和感も無視しないこと
三つ目 神頼みはしないこと
四つ目 物理的に物は壊さないこと
五つ目 人に迷惑をかけないこと
六つ目 親に感謝すること
七つ目 自分を大切にすること
他にも必要なことはありますが自分が大切だと思ったのはこのくらいです。
ずっと前から形の無い何かに追われています。それは自分の後ろを遥か遠くまで続くように伸びているのです。自分が一寸進めばそれも一寸伸びる。後に下がろうとすると湾曲を描く歯が背中に食い込んでくるのです。でもそれももう時期終わる。病院に行って治療を受けよう。アレが来てもどうにかなるようにいいことを考えよう。
最後に今日の総評十点満点中百億万点!!!最高の一日!最高の人生!これからも強く生きていこうと思える活力が湧いてきました。これにて日記は終わりバイバイ。
自分はこの調査から手を引くことをお勧めします。
内容を書き写し、皮表紙の赤い手帳を閉じて元あった場所、大学の図書室の本棚の奥に入れ込み、本で手帳を隠す。警備すらいない深夜の大学では本棚と本が当たる音ですらグラスを落としたように響き渡る。
家に帰り今日見た日記の内容を整理する。僕の先輩学生が書いたと思われる日記が最初と最後のページを残して中身が引きちぎられていた。その人は都市伝説の動画を見ていた。先輩は何かを調査していた。そして何かに追われる事になり日記と調査をやめた。
空白の部分が多すぎて何も分からないがとりあえず書いてあった飲み屋を探すことにする。
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