第26話 2回目
学園長がそのようにして言うと、生徒達はざわつき始める。
そのざわつきの中に、頭一つ抜けた声が上がる。
「この落ちこぼれが!」
「認められるわけ、ないだろうが!」
その声が聞こえた方に視線を向ける。
その顔に少し見覚えがある。
そいつは先日の試験で、俺が助けたターゲットをいじめていたであろう奴らの一人であった。
その男はさらに言う。
「俺たちに虐められて泣くことしかできなかった奴が選ばれて、何で俺がその席にいないんだ!」
俺が助けたターゲットの方を横目で確認する。
そのターゲットの顔は怯えた表情などしていなかった。
その目はまっすぐあの男に向けられたまま、何も言わず真顔で立っているのみである。
そこに学園長が口を挟む。
「丁度いい」
「ここに集められた七名の生徒達に不満がある者は公式戦で思う存分戦うがいい」
「偽神の超能力者を倒した者には、その倒した偽神からその席を奪う権利を与えよう」
そして集会は終わり、俺がFランクの教室に戻ろうとしたところである。
学園長に止められ、ついて来るように言われ、その後をついていく。
そして俺は知らない部屋へ通される。
そこには俺以外の偽神の超能力者達が集められていた。
そして学園長は言う。
「ここは今回の試験で優秀な生徒を選別し、生徒会メンバーにしようと思って作っておいた部屋だ」
「しかし色々なアクシデントや想像以上の逸材達がいることが判明し、急遽君たち専用の教室にした」
「簡単にいえばSランクの教室だ」
そして俺はその教室に用意された席に座る。
そして学園長は教室の外へと消えていった。
そして学園長と入れ替わるように教室へ、入ってくる人物がいた。
それは、大千橙花であった。
そして大千橙花は教卓の前に立つと俺たちに向けて言う。
「今日から君たちの担任になる大千橙花だ」
「呼び方は好きに呼ぶといい」
「さっそくだがSランクに昇格した君たちに、これからの主な学園生活の変化について話しておく」
「まず君たちは、授業ではなく任務を重点的に置いた学園生活になる」
「そこで成果を出し、その成果で成績をつける」
「そして君たちには、それぞれSランク仕様の棟を用意した」
「内容を簡単にまとめれば主にこの2つだ」
「詳細は君たちのスマホに送信する」
そのようにして今日は授業が終わる。
寮が変わったこともあり、スマホに写し出される地図を頼りに道を進んでいく。
やがて一つの家が見えてきた。
どうやらSランクになるとFランクと違い、一部屋のルームシェアどころか、一軒家が支給されるらしい。
そして俺はその家に入る。
するとリビングへ続いているであろう扉の隙間から光が漏れだしていた。
前にもこのような場面にあっていたため、俺はその人物を予想しながら扉を開ける。
やはりリビングのソファーで、くつろぐ大千橙花がいるのだった。
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