幼なじみとの夏休み~1人語りver
ロキ-M
テストの結果
―放課後の教室―
「お疲れー!」
「や・く・そ・く、忘れてないわよね?今日で全てのテスト返ってきたけど、合計点の低い方が相手の言う事を聞くって話。私が勝てば夏休みの宿題はあなたに全部やって貰う。あなたが勝てば、私と夏休みに好きなだけデートする話。」
「なら良いわ。中学生時代から毎回赤点で補習のあなたがこの賭けに乗るとは予想外だったけど・・理由はともかく、私の勝ちが見えてるし、夏休み楽が出来て良いんだけど。」
「う!?そ・・それは・・けど毎回、狙ったかの様にどの教科も25~28点で補習になるあなたと、31点から34点で補習にならないこの点数差は天地の差があるわ!お母さんにドヤ顔でこの話をしたら泣かれたけど・・補習の有無はやっぱ大きいわ!」
「うっさい、あなたに言われたくないわーって、あの成績でよくそんな言葉知ってるわね・・」
「隠すような才能があるの、初めて知ったわ。じゃ、そろそろお互いに答案並べましょ。」
ガサガサ・・パサッ
「じゃお互い確認って・・ちょっと待ちなさいよ!毎回赤点常連のあなたが80点upの答案あるの?有り得ないんだけど!まさか・・カンニングした!?」
「しまった!そうだった・・それだけは昔からあなたの得意分野だったのすっかり失念してたわ。けど他の教科は・・ウソ、私と僅差ばっかりだけど全部上回ってる!?じゃ・・」
「あぁ〜・・私の華麗な夏休み宿題押し付け計画が・・ガッカリよ!私の予定が狂うじゃない!どうしてくれるのよ!!」
「その辺は可愛い幼なじみの顔を立てて、俺に全部任せろって言えないの?」
「意地悪・・」
「分かってるわよ!私が持ちかけたんだし、夏休みは納得するまでデートしてあげるわよ。有難く思いなさい。」
「夏祭りは去年、中学生最後の思い出にって一緒に行ったじゃない。半ば親のお節介だったけど・・なんでそんなに嬉しそうなのよ。」
「確かに高校生なるとちょっとだけ大人に近づいた感じはするけど・・相手があなたじゃ代わり映えないじゃない。」
「まぁ良いわ。折角のデートなんだから・・楽しみにしとくわ。遅刻は絶対許さないからねっ。」
「嫌よ。現地集合・現地解散で良いじゃない。義理で付き合ってあげるのに、何が悲しくて行き帰りも一緒にならなきゃいけないの。」
「あなたねぇ・・それは幼少期の話でしょ!そんな話を持ち出されたら、デートだからってほんのちょっぴりドキドキしていた私が馬鹿みたいじゃない。」
「うっさい!そんな心配しなくていいわよっ。」
ドキッ
「!?はっ・・えっと・・な・・何よ。そんな言葉、今まで一度も言った事ない癖に。もう・・私、何を意識してるんだろ・・」
「ごめん、今日は先に帰るね。」
トントン、バサッ
「この賭けの事、親には内緒よ!それでなくてもうちの両親とあなたの両親、私達が将来一緒になるって思ってるし。お互い、勝手に決められて迷惑よね・・」
「私、男の子から声をかけて貰えないけど・・色気とか魅力ないのかな。ルックスとかこの辺とか色々と自信、あるんだけどな。」
「あなたもあなたで早く良い人みつけなきゃ、ね。いつまでも私とって訳にいかないでしょ?だから夏休みいっぱいで卒業ね、私達だけで遊びに行く関係も。」
「じゃあね、あなたも気をつけて帰りなさいよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます