第13話 夢魔狩りの基本

「さて、依頼者はこの子か」

「こりゃ可哀想だな」

「そのしょうじょう、つらい?」

「……。辛いよ。その人からすれば」

残酷だろうね。

承烈火道は夢の扉を開いた。

「この扉の向こう側に居る」

「何が?」

「むま(夢魔)だよ、カーくん)」

この少女の夢への入口へ、扉を開きました。


そこは、彼女の夢の中は日頃の心身の現れか中々刺々しい。この子の場合、やたら風景がシンプリッシュ。あちこちに刺のついた円い玉がふよふよ浮いている。

「…へぇ。」

ちょっと一服吹かした。

「わーっ ! おっきなとげだんごーっ !」

「これはフレイルだね。枷の様なものだゃ、まーちゃん」

魔珠は、ふと、カーくんを見つめた。

カーくんは、ちょっとギクッときた。

「な、なに?」

「…カーくんて、へーぜるだよね」

「それは、平然であって冷静なんだよ、ぼく。まーちゃんは白無垢で良いんだよ。」

「?」




さぁ、夢魔が現れたぞ。

「基本的な奴だ。あれは手並みの大きさなだけあって、攻防もシンプルと見た儚いが一発で狩るぜ」

「ねぇ。カーくん、夢魔っていっけんこわくてかわいいでしょう?」

「…うーん 。(ぼくがいつも観てるのと変わらないや )」




烈火道は鎌を一気に振り下ろした。夢魔は二つに裂けて消滅した。

これが、基本的シンプルな夢魔狩りです。


「ふぃーっつ…と ! ミッション完了」

「かんいむりょーう !」

「感無量ね」

夢魔は、無事退治できました。

さあ、現実世界に帰りました。

「…っつー…頭痛ぁ…え?ここは何処なのぉ……?」

少女の目が覚めました。

「おはよう、お嬢ちゃん」

「…っ!?」

ベッドの横に腰掛け上から見降ろした顔がなんだかセコかった様だ。

「おねいちゃん、だいじょうぶ?烈火道の顔怖いけど、きにしないでねっ !」

魔珠がフォローする。

「…」

カーくんは、ふぅん。と、静かに頷いた。

「…だっ、誰なわけぇ!?貴方たちぃ!?」

しょはツーサイドテールの頭を押さえ顔面赤面。

烈火道は、ほほえんだ。

思わず、少女はドキッとした。


「夢魔狩人」

「ほうしゅう、ありがとねー ! 」

「見返り求めるのかよ…ははは」




夢魔狩人

それはあなたにつく悪い夢魔をやっつける為に誕生した


正義の狩人、なのである。

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