読書雑記
@takahirohorii12
第1話 官能教育 植島啓司
最後のエロチシズムが人間の存在理由になるというのがやはりわからなかった。
人にはなぜ愛人が必要なのか、愛はいつまでも続かない、官能教育、どうして不倫はいけないのか、窮極の贈り物、セックスに対抗するにはキスしかないという構成。
宮台真司氏の語り口に似ているかもしれない。
結局何が言いたいのかわからない。
人にはなぜ愛人が必要なのかというところでこの著者の周りの人物が愛人を作り性行為にふけり、それを語るのが恥ずかしくもないかのような態度を紹介している。
女性が堂々と不倫するのを推奨しているかのような雰囲気がある。私はそこに違和感を感じた。なぜかはわからない。ただ規範意識に乖離があるとは判断できた。
また愛人を作ることが文化的なコードになっている部族の紹介がある。
結局人にはなぜ愛人が必要なのかという論証がなされていないので意味がわからなかった。著者の主張に似たような現象を羅列しているだけで根拠と言えるようなものがなかった。
結局不倫を肯定するような過去の文学作品や歴史上の人物をネタにして官能教育という体で語っているだけである。不特定多数との性行為や恋愛を勧めているだけの内容だ。そういう欲求を持ち肯定したい人たちに向けた学問仕草マーケティングの一例である。
自分たちの欲求を肯定し恥を晒したい。そのために様々な例を持ち出して論じているかのような印象を受ける。主張はなく例示と印象の羅列である。
人間中毒的できつい。自分たちの行動が他人の規範に影響しているという意識はなく、公共性という観念もない。引用している例は過去のものであったり、部族社会であることを忘れてはならない。現代社会の整合性を要求される環境には全く参考にならない。恋愛という規範は様々な抑圧を生み出すという点について触れられていないことが残念だ。女性にこびている文章なのもかっこよくない。
一番大事なこと。リベラルインテリの驕りを感じた。
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