第1章 S級ハンターへの道 D級編
第15話 真田対ハルナ
次の日~訓練所にて~
「真田」
「ん?」
木剣を持ったハルナと真田は訓練所にて対立していた。
「どうしてあたしは木剣を持たされているんだ?」
「簡単な話しさ、今のハルナの実力がどれ程のものなのか、それを確かめる為さ」
ハルナはE級ハンター、しかし3ヶ月間の基礎トレーニングのお陰で多少なりとも成長出来たはずだ。
その成長度合いを見て訓練の仕方を考えるのだ。
「S級ハンターになったとしても中身が無ければただの的になるだけ、だからこそ身体に戦い方を染み込ませるんだ」
「なるほど」
ハルナは納得して木剣を構える、真田は構えずそのまま立っている。
「構えないのか?」
「ああ、今のお前程度なら構えなくても十分だ」
「あ?」
その言葉にイラッとくる、確かにハルナは弱いが、それでも真田の舐めた態度には我慢が出来ない。
「なら、後悔させてやる!」
ハルナは駆け出し突きを三撃繰り出す、真田はそれを後ろに下がりながら躱していく。
「な!?」
「E級ハンターにしては中々の実力だな…特訓の成果か、元からの力なのか…」
それでも良くてD級ハンターの真ん中くらいの実力だ、まだまだ弱い。
「なら、これなら!」
後ろに下がって躱すのなら間合いを詰めて避けられない様にするだけだ
そう思ったハルナは更に前に出る。
「とった!!!」
木剣を突き出して真田に突き刺す…が
「え?」
まるでバーチャル映像のように真田の身体を突き抜けてしまう、ハルナはそれに困惑していると背後から声が聞こえる。
「残像だ」
「な!?」
真田の声が聞こえたのと同時にハルナの脇腹に衝撃が走る。
「くっ!?」
「どうした?その程度なのか?」
ハルナは木剣を振って真田から距離を離れる、そして何が起こったのかを考える。
(一体何が起きたの!?早過ぎて見えなかった)
「防御の面での課題が出来たな、腹筋でお腹を多少鍛えてもこの程度で苦しんでたら意味がない」
「この程度?…内臓が飛び出るかと思ったわ」
3ヶ月の前のハルナなら本当に内臓が飛び出ていただろう、それを防げたのは腹筋でお腹を鍛えていたからだ。
「今の謎を理解するには…!」
「お」
ハルナは横に駆け出し、真田の背後を取ろうと動く、獣人の血も入っているハルナのスピードはE級ハンターにしてはかなり速い方だ。
「だけど」
「!?」
ハルナが目を瞬きした瞬間、真田の姿は消えて背後から凄まじい気配を感じ取って振り向きながら咄嗟に防御する。
「まだまだ遅いな」
「ガハッ!」
木剣で防御した所から攻撃が入り、その衝撃が身体の芯まで響き渡る。
「…あたしの…考え過ぎだったのね…」
「何がだ?」
早過ぎて見えなかった、そのままだったのだ、何か、魔法やズルがあったのではなく、
"残像すら見える程の圧倒的な速さ"でハルナの背後に回っただけなのだ。
「これが…S級ハンターの壁…」
「そうだ、お前がなるS級ハンターの実力だ、言っておくが俺はS級ハンターの中でもまだまだ弱い方に入る」
「…これで弱い?」
あまりにも理不尽な壁、しかしその壁を越えないとS級ハンターにはなれない。
「ああ、弱い…だからこそ俺達は強くなる必要があるんだ、己が目標の為に」
「…!?」
真田は再び姿を消し、足音だけが響き渡る
圧倒的な速さで地面を蹴り、音を置き去りにしながら辺りを駆け巡っているのだ。
「…なら、これが今のあたしの全力だ…そしていつかお前の壁を超える!!!」
ハルナは木剣の強く握り、真田がいるであろう所に渾身の力を込めて振り下ろす、しかし手応えは全くなく、そこには誰もいない事が理解出来る。
「…お前がS級ハンターになった時が楽しみだよ」
「がは………」
真田はそう言うと木剣でハルナを気絶させる、石田は2人の戦いを見終えるとコチラに近付いてハルナをお姫様抱っこで持ち上げる。
「ハルナを医務室へ」
「かしこまりました」
真田はそう言うと訓練所から離れていく、その後ろ姿を見て石田は思う。
「…あんなに楽しそうにしていたのは久しぶりですね」
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蒼天ギルド S級ハンター
オーク ギーガ•リューイチ
異世界のオークの国から来たS級ハンター
オークの中で1番強い者だったが、真田優斗に負けて、更に強くなる為に蒼天ギルドに所属した。
酒が好き
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