勇者になれなかったオジサンのチートな大冒険

あに

異世界は散々だ

第1話 散々だ


 真夏の太陽がジリジリと肌を焼く。

 クソ暑いが、社長と言うか叔父さんに頼まれたら仕事してない俺も手伝うしかない。

「はい、麦茶ですけど飲んでね」

「「ありがとうございます」」

 俺は今エアコンの取り付けの手伝いをしている。

 まぁ雑用だな。

 汗をかいて冷たい麦茶を飲む。

「あー、うまい!」

 と一気に飲み干す。

 流石に暑い日が続いているので身体も参ってくるな。

「ご馳走様です」

 と言って仕事に戻る。

 と床が光ってる?

「え?」

 と次の瞬間眩暈がして俺は倒れてしまった。


「おい、大丈夫か?」

「ん……んん」

「気づいたか、ここどこだ?」

 叔父さんに言われ辺りを見渡すと床に魔法陣の様なものがある。

 と言うことは俺の好きな異世界召喚か!

 メンバーは俺、社長、おばさんの3人と言うことは、1番若い俺が!


「勇者じゃないんかい!」

 あの後、入ってきた姫様達に説明を受け、水晶に手を置いて行くと、社長が勇者、おばさんが聖女という結果だった!

 いや、まだ賢者が残ってる!


 最後の望みと言うか当たり前だろ?

 水晶に手を乗せると、

ーーーーーー

 忠野正宗タダノマサムネ 31歳

 レベル0 職業 自由人

 スキル 鑑定 

 ユニーク ????

ーーーーーー

「うっそだろー?」

 と言うが、こう言うのは大概チートだ。

「ま、マサくん?大丈夫か?」

 と社長が聞いてくる。

「大丈夫ですって!こんなのチートに決まってますもん!」

「でも、私が勇者でいいんだろうか?」

「いいですよ、魔王を倒せばいいだけなんですから」

「そ、そうか?倒せるかな?」

「社長の力でチョチョイとやっつけちゃって下さい!」

 と社長はこう言うのは知らないんだろうな。

 俺が一緒にいて教えていかないといけないな!



「え?うっそだろー?」

 と勇者、社長と聖女のおばさんは食事に招かれ、俺は金を渡されて放逐される。

「おい!俺は絶対チートなんだって!」

「しるか!勇者と聖女が召喚されてこっちは忙しいんだからお前はさっさと街で暮らせ!」

 と門前払いを受ける。


 ゴネてそこら辺の花瓶を壊そうとすると槍で突かれそうになったのでやめる。


 あまり気は進まないがここでこうしててもしょうがないので、街に行くことにする。

 こう言う時は大人しく引き下がって冒険者ギルドに登録だな。

 

 冒険者ギルドはすぐに見つかり中に入って受付で説明を受ける。

「え?なにかスキルがないとだめなの?」

「はい、スラッシュなんかは覚えてないんですよね?」

「鑑定じゃダメ?」

「冒険者には必要なスキルですが、戦えるスキルがないと」

「マジかぁ」

 とここでも門前払いされる。


「はぁ、早くチートをどうにかしないと」

 と考えてもしょうがない。

「……宿に行くか」

 宿に入って女将に金を払い1週間分前払いで部屋を取る。

 部屋に入ると埃臭いので窓を開ける。

 椅子、テーブル、ベッド、シャワー室があり、なんとか暮らせる作りだが、

「なんでだよ……ステータス」

ーーーーーー

 忠野正宗タダノマサムネ 31歳

 レベル0 職業 自由人

 スキル 鑑定 

 ユニーク ????

ーーーーーー

「せめてこのユニークが分かればいいんだが、鑑定」

『ユニーク……解除にはレベルアップが必要』

「お!まじか!」

 レベルアップすればいいんだな!

 俺は外に出て武器屋に行くと剣を購入する。

 剣帯もつけてくれたので腰にぶら下げると門の外に向かう。

 だいぶ金は減ったがそれでも稼げばいい!


 今の持ち物はタオルに電子タバコにスマホ、金は両方の世界のものに剣。

 来ている服はジーンズに半袖のTシャツ、あと腕時計。


 要らないものは宿に置いておいて門に行く。

「勝手に出ていいのか?」

「ああ、いいぞ?」

「入る時は?」

「冒険者証か、入場料が必要だな」

 まだ金はあるので思い切って外に出る。


 よし、スライムかホーンラビットが出てくれば!

 と探すが一向にいないので、森に入って行く。

 進むと草陰にゴブリンだな。

 緑の体に汚い歯、腰蓑一つで棍棒を持っている。

「お、おりゃ!」

「ギャァァァ」

 と倒れたのでステータスを見るがレベルは上がっていない。

「くそ!何匹倒せばレベル上がるんだよ!」

「ウガァァァァァ」

「え?もしかして親?」

 緑の体躯でゴツい身体のたぶんホブゴブリンがやってきた。


「いやいや、まだレベル0なんだって!」

 と逃げるがホブゴブリンの方が早い。

 前に回り込まれるので勢いつけて剣で突く。

「ギャアアァァァァ」

 剣は通り体に刺さる。

「よし!今のうちに!」

 ホブゴブリンから抜くと緑の血が流れるが、汚れてしまってもしょうがない!

 首を刎ねるとようやく倒れてくれた。


「ステータス」

ーーーーーー

 忠野正宗タダノマサムネ 31歳

 レベル6 職業 自由人

 スキル 鑑定 

 ユニーク SP使用可能 

SP残り1012

ーーーーーー

 よし来た!やっぱチートやないかい!

 俺はホブゴブリンの返り血で汚れているのも気にせずにSPに夢中になってると、


“トス”

 と矢で射られてしまった。

「いだ!」

 これ、眠り矢か?意識が……

 と眠くなって寝てしまう。


 俺の異世界は散々だ。

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