10分しか生きられない少年は、命の重さに抗う―それでも、僕は生きたかった―

@Kumatarou2588

【0話】時間を通貨にした世界で

この世界では、時間がすべてだ。

パンを買うにも、バスに乗るにも、家を借りるにも——“寿命”を差し出す必要がある。


生まれ落ちた瞬間、誰もが寿命口座を持ち、

「今、生きている残り時間」を通貨のようにやり取りする。

現金もカードも存在しない。手首に刻まれた“ライフリング”が唯一の財布だ。


そして、寿命は、容赦なく減っていく。


働いて時間を稼ぎ、使っては減らし、

寝ている間も、誰かと笑っている時でさえ、寿命は刻々と消えていく。


奪う者、奪われる者。

生きる者、朽ちる者。


そんな世界で——


彼は、残り寿命“10分”から始まった。

そして、彼の持つ《スキル》が、すべてを変えていく。


これは、寿命を喰らう異能時蝕と、

光すらも奪い合うこの世界で、

“最期の10分”から成り上がる少年の物語。

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