幽潟町の殺人奇

主道 学

第1話 プロローグ

 その町にはとてつもない奇妙な男がいる。


 幽潟町三丁目の古びたアパートに一人で住んでいるらしい。


 そのとてつもない奇妙な男は毎週月曜日に人を消すようだ。


 ほら、いつか。あなたの隣から、とてつもない奇妙な男が蛙の小便をかけてくるぞ。



――――――


「じっちゃん? どうしたの?」

「おお、たっちゃんか。今日は月曜日だ。庭から蛙の鳴き声がうるさく聞こえてくるから、朝から心臓の調子が悪いんだよ」

「心臓? 調子悪いんだったら、寝てなきゃ」

「お、おう」


 ぼくはじっちゃんを布団で寝かせるため、強引に後ろにある襖を開けて寝室まで連れていった。


 じっちゃんの顔は、真っ青だ。

 

 布団を広げて、その中にじっちゃんを押し込むと、ぼくは庭を見た。


 真夏の酷な日差しを浴びる花壇の周りから、蛙の大合唱がする。今日は月曜日。人が消える日だ。


 

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