第11話
……そっと瞳を開くと、
見慣れない瞳が自分をじっと覗き込んでいる。
新しい星なのか。
それとも覚えていないだけの、かつての星なのか。
唇が微かに綻ぶと、
「……何故微笑っているの」
彼は静かな声で尋ねた。
「わたしは、君を殺しかけたんだよ」
目の前にあるのも美しい星だが、
今はまだ、あの
陸議は少し開いた瞳を再び深く閉じた。
だが唇は微笑む。
「……死を彷徨ってる間に、夢を見たんです。
……その夢の中に、ずっと探してた答えがあった。
だから私は………………何があっても貴方に感謝しています……」
見下ろしていた
目を閉じた青年の目尻から、涙が零れて伝い落ちていく。
郭嘉。
誰かが呼んだが彼は無視をした。
ただそこに佇んで、青年の涙を見下ろし続けた。
腹の奥に渦巻いていた怒りが、収まっていく。
怒りは我を忘れさせる。
冷静にならなくては駄目だ。
心を静めたいと思い、彼はずっとそこに佇んでいた。
涙が零れていく。
この美しい輝きを、
この手は殺さなかった。
まだ、自分に天運はついている。
必ずこの与えられた天運を逃さず――勝利に結びつけなければならない。
郭嘉は瞳を静かに、そして獰猛に光らせ誓った。
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