うめぼし
いやまあ、そんな事はどうでもいいとして。その「10年に3人の逸材」の残り2
人である――この勇者っぽい男とその隣の魔王っぽい男はホームルーム前になんの用なのだ?
……と思っていると勇者っぽい男。
「おっとそうだ。自己紹介がまだだったな? 俺の名は『うめぼし』。以前は別の世界で勇者をしていが、その後また別の世界で戦隊ヒーローのレッドをしていた。そして今現在は――まぁ、どこにでも良くいる普通の裏垢男子の裏の顔といったところだ」
裏垢男子の裏の顔ってそれは表だろう? しかし情報量が少ないな……今のでわかったのはこいつが元・勇者で元・レッドという事だけだ。どうせならもっと人となりがわかるような自己紹介が欲しかったところだ。
――と思ったら。
「ところでお前はうんこをする時メガネ派か? それともコンタクト派か?」
何故うんこをする時に裸眼じゃないのが前提なのか、小一時間くらい問いただしたいところだが。
「……うんこ?」
と私が呟いていると。
「ああ、そうだ。因みに俺はうんこをする時はサングラス派だ」
なるほど。今ので大分こいつの人となりがわかったが、どうやらこいつとは気が合いそうだ。
――と。
「失礼」
と急に口を挟んできたのはもう一人の逸材。魔王っぽい男で。
「失礼レッド殿。この方の内面をもっと知りたいのであれば、今の質問よりお題を出した方が早いのでは?」
「ん? ああ、それもそうだな? では一つ――」
とうめぼしが言った途端に教室中がザワつく。
「え? おいおい。入学初日からあの3人……ウチのクラスのトップ3の大喜利が見れるのか?」
「いやクラスじゃなくて学年トップ3だろ」
「さっきのは不意打ちだったけど今度はじっくり見れるぞ!」
「見せてもらおうか……擬人化した男性ホルモンとやらの実力を」
モブ達が何か勝手な事を言っているが、私達3人はそんな噂になるくらいの実力者扱いなのか?
てゆーか最後の擬人化した男性ホルモンとか言ってたの女子かよっ!?
……と私が擬人化した男性ホルモン発言金髪美女に目を奪われていると擬人化したうめぼしは。
「よし、では学生らしいお題で行こう」
学生らしい?
「問題。私立ドスコイ高校にありそうな校則とは?」
「早弁はOKだが、早ちゃんこはNG」
「私立ドスコイ高校にありそうな校則とは?」
「修学旅行もふんどし姿(制服)で行かなければならない」
「私立ドスコイ高校にありそうな校則とは?」
「2トンある校門を張り手一発で開けなければならない」
……とまさかの3連発に私が肩で息をしていると。
「ほぅ? 凄いな……フェンリル抜きで今の回答をノータイムか。こいつは本物だな」
本物とやらの基準が私には良くわからないが、とりあえず認められたようだし、うめぼしが悪い奴じゃないという事はなんとなくわかった。
※※※
今回のお題
「私立ドスコイ高校にありそうな校則とは?」
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