第83話 片手間


 咲耶と贄川にえかわのバトルを観戦する、俺。

 まあ、もう俺が突っ込んでパンチすりゃ、一発解決な状況ではあるんだが。


 咲耶に任せましょう(後方腕組み)。


『主よ』


「どうしたん?」


『地盤が、沈んでおるぞ』


「おー……? どゆこと?」


贄川にえかわのやつが、地下水を無理矢理、しかも何度も引っ張ってきた影響じゃろうな。地盤がボロボロで、地面が沈んできておるぞ』


「はーん、なるほど……」


 面倒なやつだ。面倒な技だ。ったく……他人の迷惑を考えて戦えよなー。


『どうするのじゃ?』


「てい、反則剣チート・キャンセラー


 俺は地面にプスリ、と反則剣チート・キャンセラーを突き立てる。

 瞬間、地面がゴゴゴゴ……と揺れた。


「どうだ?」


『地盤沈下が収まったのじゃ……いったいなにを……?』


反則剣チート・キャンセラーで、傷ついた大地を戻した」


『……そういえば、反則剣チート・キャンセラーは、異能そのものを打ち消し、異能による傷を癒やすのであったな』


 この地盤沈下は、贄川にえかわの異能によって操られた地下水が、大地を傷つけたことで起きた。

 異能による傷は、俺の反則剣チート・キャンセラーで治せる。

 よって、地面も元通りってわけだ。


『異能で出した水ではなく、地下水を異能で操作しておったじゃろ?』


「そーね」


『なら……地下水が大地を傷つけたのであって、異能による傷ではないのではないか……?』


「なるほど、鋭い物の見方ですね」


『じゃろうー?』


「しかし、地下水を操作したのは異能だ。異能で水を操作しなければ、地面は傷つかなかった。大地が傷ついているのは、異能によるもの。だから反則剣チート・キャンセラー適用範囲内」


『うーむ……その理屈、通るのかの?』


「いや、通ったから実際、地盤沈下が止まったんじゃあないかー」


『まあそれもそうじゃのーう』


「なー?」


『む? 咲耶達が肉弾戦を繰り広げておるな』


「お、そうだな。がんばえー、咲耶がんばえー」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【あとがき】


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