好きな娘に橋渡し役を頼まれた

@nyg

第1話

 突然だが、俺こと高橋 成人には好きな娘がいる

 

 その相手は学年一可愛い朝霧 紗夕だ


 なんでこんな話をしているのかというととても、そうとてもショックなことがあったからだ


 今朝、下駄箱に手紙が入っていた

 

 その手紙どおりに体育館裏にいくとそこには朝霧さんがいた


 「いきなりですが…」

 彼女は目も合わせず、どこか申し訳なさそうに見えた


 「神宮寺くん、私と付き合ってください」

 

 「つまり、俺に神宮寺との橋渡し役になってくれということか?」

 俺は彼女の意図を理解して、即座に言った


 神宮寺 章は俺の親友で、学年一のイケメンだと思うが…

 

 つまるところ俺は今、自分が好きな人に親友との橋渡し役を頼まれているということだ

 

 下駄箱に手紙が入ってて、体育館裏で待ち合わせって告白確定イベントだと思ってルンルンで来たのに、どうしてこんな話なんだ


 確かにおかしいと思ったよ

 

 俺なんかがラブレターを貰えるなんて

 

 でも一人くらいいると思うじゃん


 みんなも考えてほしい


 いくら自分が持てないと思っていても下駄箱に手紙が入ってたらそれはもうそういうことじゃん

 そう思うはず

 

 しかも他の女子ならよく頼まれるしまだ耐えれた


 でも、なんでよりによって朝霧さんなんだ


 世の中は残酷だ


 結局のところイケメンが正義なのだ


 おっと、この思考の間に朝霧さんから何度も

「ちょっと」と話しかけられていたんだった

 そんな少し慌てふためく姿も、また可愛い


 「なんか勘違いしていない?」

これは"私があんたのこと好きだなんて思っていたの"ということか


 「勘違いなんてするわけないよ

それよりも神宮寺との橋渡しは任せて」

 好きな娘の手前、嫌な役をつい二つ返事でオッケーしてしまった


 "ちょっと"と引き留めようとする彼女を放って用事があると言って、そのまま逃げるように帰ってしまった 

 

 

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