第12話 ジュリ
巨木、どれくらいなのかって言うと、
我々はそこに階段や橋を渡し、
中をくりぬいたりして住まっている。
樹里:じゅり
なぜか珍しいひとに出会ったので、何か普通のことを書いてくれと言われた。
我々は民族としての名を樹里、と言う。
よくは分からぬが、首をかしげたれた。
その者の里では、「じゅり」と言う言葉は性的な意味合いらしい。
知ったことではないわ。
普通のことを書いてくれ、と言われても、橋がいくつかかかっているとかか。
子供たちは木の上が安全なので、木製の橋を走ったりしているとかでいいのか。
木の下には魔物が出現するので、おとなもそれを認めている。
それから、特別なことも教えてくれと言われた。
生きているその巨木の中には、図書館がある。
そこには司書がいる。
書蟲:しょむし
と言う、ひとならざるもの、で、そちらは魔物ではない。
なかなか整った顔立ちしか、書蟲にはいない。
それから性的なことについて何か教えてくれ、と言われた。
冗談でもいいから、と。
我々の里には、外の血を求めて一時期旅に出るものがいる。
そして私も運命の男を探しに、旅の途中、まだ女の器は新品だ。
なんか目の前の男、「里を見てみたい」とか言い出してる。
おかしな輩は、新品と胸元に刺青を入れ、矢印の先で局部を示すのがならわしだ。
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