原作破壊活動
まず目をつけたのは男主人公こと男装令嬢ノワール・フラウア。
彼もとい彼女は、男爵令嬢だった母と共に、好色親父として有名な公爵に引き取られた。
女と知られたら間違いなく手を出されると思った母親が、ノワールを男と宣言して育て上げる。
ノワールも、母親から『貴方は男なのだけど、病気で胸が膨らんで、あるべきもの(※一物)を失ったの。他人から見られたら酷い目に遭うから、絶対人前で脱いじゃ駄目よ』と洗脳され、自分は男だと思って生きていたのだった。
ちなみに、好色公爵は母と共に事故死している。
現フラウア公爵家は義姉であり学園の非常勤講師でもある、白百合の
まあ、確かに悲劇は起きていない。面倒なだけで……これは後で説明する。
私は弟の伝手で、彼のクラスメイトだったノワールを屋敷に招き、和気あいあいとお茶会をしていた際、手が滑ったと見せかけて紅茶を掛けた。
淹れたてのあっついお茶を掛けられたノワールを間近で見てしまったリゲルは大慌てで彼女の服を脱がし――胸元にキツく巻かれたコルセットを白日の下に晒したのだった。
秘密を曝されたノワールは初めこそ怒り、泣き叫んでいたが、膨らんだ胸元と股間に一物がないことが女の証であることを教え、病気でも何でもないことを教えてあげるとめちゃくちゃ驚いていた。
でもいまいち信じきれていなかったようなので私の部屋で、私の裸とノワールの裸を比べさせて、ようやく納得してくれた。
ノワールの義姉ジェシーラに事情を話すと、彼女自身めちゃくちゃ驚いていたが、「ずっと妹が欲しかったの」とすぐに受け入れてくれた。
クソゲー内では、男爵家の血を引いた義弟を「公爵家を狙う薄汚いネズミ」と公然と語って毛嫌いしていたジェシーラの掌返し具合には少し驚いたものだ。
まあ、中身は呪いで女になった男なんだもんな。可愛い妹が来たら嬉しくなるよね。
で、ノワールが令息ではなく令嬢として学園に通い出したと思ったら、リゲルを除く、薔薇側攻略対象の四人がノワールの虜になってしまった。
確かに、男装時代から可愛い感じだったけど、本気出してメイクアップドレスアップしたら……なんというか、天使とは正に彼女のことを指すんだろうね。
ちなみにそれぞれの設定は、
・
・
・
・ピンク
あと
そんな彼らを、ノワールの周りには必ずと言っていいほど見かけるようになった。
イケメンに追い掛けられ、ノワールは喜んでいた……ということは無い。
寧ろ逆で、今まで友情を育んでいた男たちの掌返しに恐怖し、彼らから逃げ回るようになった。まあ、幾らイケメンでも、意志感情を無視してくる輩はストーカー以外の何者でもない。
最終的に、ノワールは私の傍から離れなくなった。
きっかけは多分、用事があるからと嫌がるノワールをお茶に誘っている四人に「男の風上にも置けない貴方方の無様な姿、各々の婚約者にどう思われているでしょうね」と、彼らの婚約者を引き連れてったからだと思う。
あいつら、婚約者がいるってのにノワールに手を出そうとするってマジで男としてどうなんだろうね。幾ら私が描いたキャラクターたちでも、浮気者は無理。地獄に落ちろ。
まあ、そんな感じで無事彼らを撃退した私が守ってくれるって認識したんだろう、なにかと私の側にいて、奴らを見掛けると背中に隠れるようになった。
まあ、私も女だとバラした負い目が無くもないから、いいけどね。
それに、「ミレイヤお姉様」と慕ってくる可愛い子に頼られるのは悪くない。……まあ、たまに講師としてやってくるジェシーラの視線はかなり怖いけど、来るのはたまにだから問題ない。
暫くそんな感じでノワールの盾になっていたら、四人は婚約者を無碍にし、女の尻を追っかけ回して役目を放棄する人間性に問題ありということで、いつの間にか失脚して姿を見せなくなっていた。
ノワール、マジサンクス。
一気に四人の物語を崩壊させられて、手間が省けてこちらとしては大助かり。
そうそう、
本人は「紳士的に接して良かった!」と嬉しそうだったが、ノワールから「ミレイヤお姉様の大切な弟君だから、仲良くしようと思います」と苦笑いで言われたことは、墓場まで持って行こうと思う。
そんな訳で、薔薇側のストーリー崩壊は大体一月程で大成功で終わった。これは半年程前の話。
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