第3話 俺は

欲求不満だというと、抜いたり彼女がいるならそういった行為をしたりするのが男子の解決方法だろう。

少なくとも俺の友達はだいたいそうだった。

でも、俺はそんなの正直どうでも良かった。

ただ安心感が欲しい。俺にかまってくれるだけでもいい。

思えば、今までの彼女も構ってくれるという理由だけで付き合ってきて、本当に好きとは言えなかったかも知れない。

まあ、本当に好きなら付き合ってる途中で他の女の子とも付き合うなんてことしないか。

そのことを前から知っていた美菜は、俺のことを軽蔑しつつも、それが俺の特性だと良くも悪くも行ってくれた唯一の女友達だった。

そんなわけでただ安心感が欲しいのだとを彼氏のいる美菜に伝えると、想像の斜め上の答えが返ってきた。

「じゃあ、私で発散させなよ」

信じられなかった。まるでセフレみたいじゃないか、とも思ったけど、俺はそれよりも欲望に従って、その提案に乗った。

最低である自覚はある。

心だけが置いてけぼりで、体だけが美菜に安心感を求めていた。

実際、最もまずいと思ったのは、ある夏休みの日であった。

その時俺等は図書館でお互いの欲を発散させたあと、自分の家で残り物を一緒に食べることになった。親は共働きでどちらもいなかった。

昼を食べ終わると、美菜がソワソワしているのがわかった。なんだろう、と思い、それの原因であろうスマホを見た。

「え?」

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