第17話 クリスマス攻防戦
オレと千景が付き合っている事は……もちろんオレは知られても構わないのだけど……あのデマチの現場に居合わせた佐藤さんの口からも洩れてはいない様だ。
千景が口止めしているのかもしれないし……オレが気が付かないだけで実は知れ渡っているのかもしれないが。
とにかく!!
クラス委員の相方の揣摩さんとオレの悪友?の山本が中心となってクリスマスパーティ企画が持ち上がった。
なぜ、その企画が有効になったかと言うと……担任の佐々木先生がインフルエンザで休んでしまった影響で、ウチのクラスだけ冬季講習の最終日が24日になったからだ。
いつもならいい顔はされないであろう教室でのクリスマスパーティの開催許可を取り付けた揣摩さん!
確かに“いい仕事”をしたのだが……オレの心の中は複雑だ。
千景とのクリスマスイヴを夢想していたから……
でも肝心の千景の方は「クラス委員が参加しないわけには行かないよね。まあ頑張って!」と実にあっさりとしたものだった。
おおかた、オレの最大のライバル!『クロト様』や『リヴァイ様』への推し活予定が入っていたのだろう。
そんなこんなでオレのテンションは実は下がり気味だった。
◇◇◇◇◇◇
『交換用のプレゼントの経費は千円程度』
これは揣摩さんが提案した括りで……出席番号が書かれたカードをブラックボックスに入れ、これを一人ずつ引いていく仕組みだ。
このプレゼント交換会は……中には自分が用意したプレゼントを引き当てたり、“ライバル同士”がプレゼント交換する羽目になったりと……意外と波乱万丈だった!
クラス委員であるオレと揣摩さんはカードを引くのをは後回しで専ら“世話役”に徹して居たのが……その揣摩さんが引き終わり一番最後に手を突っ込んだオレが掴んだ番号は21番……揣摩さんの出席番号だった。
「揣摩ちゃ~ん!和田っちにプレゼントするんだ!」
「よっ!おしどり夫婦!!」
「中身は何?」
ってにぎやかしの声に
揣摩さんは顔を伏せた。
これはマズいなあ~なんて思っていると揣摩さんは「手編みのマフラーなの」と小声で答えてクラスは更に“ハチの巣状態”になった。
結局オレは……拍手喝采の中、揣摩さんからマフラーを首に掛けて貰う羽目となった。
ああ、色々ヤバいよなあ~
そしてオレの予想通り……
クリスマスイベントから凱旋して来た千景を迎えに行ったその場で思いっ切り問い質された。
「ホント!!申し訳ないわね~!!和田くんからコス衣装用のクロスをあれこれプレゼントして貰ったのに……私は和田くんにマフラーを編んであげる余裕なんて無いしさ!偶然とは言え揣摩さんの手編みのセーターが手に入って! 良かったわね~!!!」
“しない訳には行かない”マフラーを巻いていたオレは……この千景の言葉に首筋がゾッ!と寒くなったのだった。
第18話へ続く
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