第11話、あんなことしたら質問攻めだろうな

昼休み。教室の一角。

お弁当を広げようとしたその瞬間――


「なつちゃんってさ、めぐるちゃんがタイプなの?」

「好きな男子とかいるの?」

「めぐるちゃんとはどういうご関係で?」


那都が、なぜか女子たちに囲まれていた。


「えっ、え、ちょ、ちょっと待って!?なんでそんな質問攻め!?」

「いいやん、聞くだけやし~♡」

「別に悪いことしてないし~♡」


そして――その様子を見ていためぐるは、教室の隅で震えていた。


(な、なつちゃんが……笑ってる……え、うそ、笑ってるぅ……!?)


ぷるぷる震える肩。ぽかんと開いた唇。


(なつちゃんって、わたしだけのものじゃ……ないの……?)


でも――


(ちがう、ちがうよ……なつちゃんは、さっき……教室で、言ってくれたもん……)


「ごめんやけど、この子、うちのやけん」


あの言葉が、胸の奥にまだ残ってる。

だから――


「……っ!」


めぐるが立ち上がった。


足元はおぼつかない。

顔は真っ赤。手はぎゅっと握られてる。


でも、頑張って、がんばって――


「ご……ごごご……ごめんねぇ……っ!あのね、えっと……な、なつちゃんは……!」


女子たちがめぐるの方を見た瞬間、

めぐるの耳がさらに真っ赤に染まる。


「な、なつちゃんはっ、う、うう、うち……じゃなくて、わ、わた、わたしのっ!!」

「す、すきな人とか、いないよ!なつちゃんは、わたしのっ!!わたしっ、なのっ!!」


えらい勢いで、語尾まで噛み噛み。

涙目で、でも必死に。


那都がぽかんと見つめてる中――

めぐるはふらふらと歩み寄り、


(な、なつちゃん、だって……こ、こうやって、したんだよね……?こ、こう……)


ぷるぷるの手で那都の前髪を上げると――

そのおでこに、小さく震える唇を寄せて。


「……ちゅっ」


「~~~~~ッ!?!?!?」


教室が一瞬で爆発した。


「きゃーーーー!!!」 「めぐるちゃんの逆ちゅー!?!?尊すぎて死ぬ!!」

「ちょっと待って嫉妬して見せつけ仕返し、恥ずかしさモリモリで?反則じゃない!?」


那都は完全に固まりながら、ゆっくりと顔を真っ赤にする。


「め、めぐるちゃん……今のは、うちがするはずやったのに……っ」

「えへへ……でも、わたしだって……やりたかったんだもん……なつちゃん、わたしのだから……♡」

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