エッセイと全部嘘の話

日焼け止めと汗

日焼け止めを塗って外に出てたらふく汗をかくと、日焼け止めが溶けだして目に入る。痛みで眼球がコーティングされて痛い。20分ほどの間、涙がちょちょぎれる。

大きな交差点で泣いているのは私1人。

その時に私はAmazonMusicを起動することにしている。サカナクションの怪獣を流すと知性に命を賭した人に思いを馳せる涙になる。小田和正のあなたに会えて本当によかったを流すと家族や恋人に思いを馳せる涙になる。カナブーンのシルエットを流すと青春の思い出に思いを馳せる涙になる。

音楽は私の涙を演出する。私はときどきに好みの音楽を流すことで、なんだか素敵な涙を流している。イヤホンだから他の人にはわからないだろうけど、きっと伝わっていると信じてる。

地上の星はどうだろう。銀河から見下ろすこの星の尊さや小ささに涙を流すのもいいかもしれない。オレンジレンジの上海ハニーならきっと初恋の人のことを思い出したような涙を流せるかもしれない。椎名林檎の女の子は誰でもならお腹の中の子が女の子だとわかった日の涙みたいかもしれない。

暑い夏の楽しみ。今日はどんな風に泣こうか楽しみにしている。日焼け止めでべたべた気持ち悪いのもだくだく汗をかくのも悪くない。

涙と音楽があればだいたいどうにでもなる。