代償を伴う魔法

@mikan1120

第1話

「クソ!」

 スライトの目の前には魔物がいる。

 その後ろにはスライトの友人、トムがいる。

「くっ」

 スライトは剣で魔物の攻撃を受ける。

 と同時に、魔物の拳がスライトの体に迫る。

「まずい!」

 トムが叫ぶ。

 スライトは後ろに身を交わす。

 魔物が拳を振ったことにより、魔物の体に隙が生まれた。

「今だ!」

 スライトはそう叫ぶと同時に魔物に剣を振るった。

 スライトが振った剣が魔物の体を切り裂いた。

 魔物の体は粉々になり消えた。

「よし!」

 トムは喜びの声を上げた。


「やっぱスライトは強いね」

 トムは言う。

「ところでなんでスライトは魔法をつかわないの?」

「うーん……だって別に剣でも戦えるし……」

 スライトは言う。

「でも魔法のほうが魔物を倒すのも安全じゃない? さっきも少し危なくなってたし……」

「まあ、なんでもいいでしょ! 休憩しよ!」

 スライトは誤魔化すかのように声を上げ、戦闘食をトムに手渡した。


 魔法学校でのとある授業でのことだった。

「魔法は人の命を消費して使われるものです」

「えっ!?」

 スライトは先生の言葉に驚く。

「魔法を放つこれはただ練習し。何も代償がなく、使用できるものではありません。昔、命を消費しなくても魔法ができる人もいるという噂もたったことがあリましたが、魔法が使用される用意になって数十年、研究が進み、魔法を使うには命が必要ということがしっかりとかくにんされました。命とは何なのか。寿命なのか。それはまだ伝えるべきではないでしょう。ただ、魔法を使うというのは自分だけのことではないということを覚えておいてください」

「命……」

「ただ、魔法を使うことに感謝しても躊躇することはありません。それは、魔法を使って使われる命があっても、魔法を使って救われる命もあるからです」


(僕には彼女がいた……名前はメアリー・クロフォード。だが、今は彼女ではない……他人だ……)

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