第44話 万年反抗期と、5セットのプレゼント

長女、万年反抗期


現在小学2年生の長女。

性格はなかなかキツめで、ほぼ常時「反抗期モード」。しかも、その矛先は100%、私に向かっている。外では超いい子なのが解せぬ。


朝、「寒いから長袖にしようか?」と声をかければ――

「うるさい!」


放課後、帰宅した娘に「今日は雨だったけど、傘忘れて大丈夫だった?」と聞いても、返事はやっぱり

「うるさい!!」


そのままランドセルの中身(ノート、プリント、筆箱、全部)を、無造作にリビングへぶちまける。

プリントが宙を舞い、問題集がドサッと転がる。その芸術性には、ちょっと見とれてしまうほど。


一方で、ゲームを一緒にしたいときだけは妙に甘える。猫なで声でぴとっと寄ってくるので、「自我の発達と甘えのせめぎ合いって、まさにこれか……」と観察している日々だ。


夫はその様子を見てニコニコしながら言う。

「ちょうど“家庭内反抗期”ってやつだね」


……まぁ、夫には一切悪態をつかないんだけど。

それがちょっと悔しい。


でも、だからこそ私がイラっとしてしまうとき、夫がしっかり娘の気持ちを受け止めてくれる。

「ちゃんと見てくれる大人」が複数いることが、子どもの世界にとってどれだけ安心感になるか――私は何度も思い知っている。


プレゼントは毎年5セット


そんな長女。誕生日やクリスマスになると、プレゼントが異様に豪華になる。理由は簡単。祖父母が3組もいるからだ。


私の実母は「何もしない」派だが、元義両親(モラ夫側)と今の義両親は、毎年張り切ってくれる。もちろん私たち夫婦からも贈る。


誕生日だけで3セット。

そしてクリスマスには――


サンタさん


私から


今の夫から


元義両親から


今の義両親から


なんと、5セットのプレゼント!


しかも今の夫は、私と結婚する前から「友達のおじさん」として娘にプレゼントを贈ってくれていた。結婚して「お父さん」になってからも、その習慣は継続中。


娘は当然のように「今年のプレゼントは何かな?」と楽しみにし、ついでのように「ママからもあるよね?」と当然の顔で言ってくる。


……子どもって、本当に順応が早い。そして、ちゃっかりしている。


私は思う。

この大量のプレゼントが、娘にとって「可愛がられていた」という実感につながればいい、と。


辛い経験もたくさんあった娘だからこそ、この記憶がいつか、「あの頃は幸せだった」と思える時間として残ってほしい。


私の懐は確かに痛む。

でも、「自分は愛されていた」という感覚を育てるための必要経費だと割り切っている。

それが、娘の心のどこかに、小さな温もりとして残ってくれたらいい。


娘はまだまだ反抗期。

泣いて怒って投げて、笑って甘えて。


でも、それこそがきっと、私たちの「正しい育ち方」。


……ちなみに、財布だけはずっと「反抗期」のままなんですけどね。

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