【第2章:『二つの顔を持つ者』】

調査を進めるうちに、いくつか不可解な点が浮かび上がる。

• 館長は死の前夜、自室で何かを“焚いていた”という

• 館内の防犯カメラは、なぜか“鏡の前だけ”映像が途切れている

• 館長の日記には「もう一人の自分に殺される」との記述が…


アヤメは言った。


「父は昔、“詐欺事件”に関わっていたことがあって…それをずっと後悔していたみたい」


つまり、鏡に映っていたのは「もう一人の自分」――

罪を犯した過去の顔だったのではないか?


タケシの頭に、ひとつのことわざがよぎる。


「『後ろ暗いところがある』ってやつか…」

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