名もなき剣に、雪が降る

しげみちみり

あらすじ

――英雄ではない。ただ、罪人だった。


白装束に身を包み、戦場を駆け抜けた無名の剣士・沖田静。

数多の命を斬り、数少き友に背を預け、

“名を持たぬ剣”が届いたとき、彼は戦場を去った。


あの雪の日、誰も知らぬ山の奥で、

ひとつの魂は静かに消えた。


けれどそれでも、

確かに此処にいた。


――命を奪わぬ剣を、最後まで信じた少年の物語。

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