【意味が解ると怖い話】短編集!解説アリ◎
room_404
第1話 忘れ物
会社に着いてから気づいた。財布を忘れてきたらしい。
昼休みに妻にLINEを送った。
「ごめん、財布忘れた。寝込んでるとこ悪いんだけど
玄関にあると思うから、確認してくれる?」
しばらくして返信が来た。
「うん、あったよー。」
その日はすぐに仕事を切り上げ、頼まれた薬を買った。
( 現金が無くても会計ができるなんて便利な世の中だ... )
「ピンポーン。」
インターホンを押すと、妻がドアを開けてくれた。
「ごめん、鍵も忘れてたみたい。」
「そうだったの?おかりなさい...。」
思ったよりも具合が悪そうなので申し訳なくなった。
「はやく部屋に戻って休んで。」
僕は妻に寝ているよう促し、リビングに向かうと
『お粥の作り方』と検索した。
「う"...うっ..........。」
慣れない料理に手間取っていると
寝室からは熱でうなされる妻の声が聞こえてくる
( 早く少しでも食べられるものを作らないと... )
「ガチャ...。」
少し落ち着いたのか寝室の扉が開く音がして
妻がこっちへ向かってくる
「ご飯できた?」
================解=説================
「いったい誰が鍵を閉めたのか?」
これに気づくと、この話の違和感の正体が見えてきます。
夫は[財布]と[鍵]を家に忘れてきたので鍵をかけて出かけていないし、
妻は夫に薬を買ってくるよう頼んでいることから病院へは行っていない。
つまり、高熱で寝込んでいる妻も外出はしていないであろうと推測できます。
では、果たしていったい誰が鍵を閉めたのか・・・
鍵をかけた第三者の影が浮かび上がる。
「ご飯できた?」
さいごに夫に話しかけたのは本当に妻なのか・・・
「う"...うっ..........。」
妻は本当に熱にうなされていただけなのだろうか・・・
夫はもう、確認することはできないであろう。
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