君に会うまで

aoinishinosora

第1話 時間

 僕には時間が無い。やりたい事が沢山ある。やらなきゃない事が沢山ある。


 中学の時はサッカーをしていた。部員は18人位だったと思う。僕は1年生の時の秋の新人戦からレギュラーだった。だから毎日部活に行くのが楽しかった。でも、ある日を境に同じサッカー部の友達から無視されるようになった。それがいつの間にかクラスに広がり2年の終わり頃には僕は1人になっていた。


 勉強は苦手だった。いや?したくなかった。だからいつも成績は後ろから10番とかだったと思う。勉強が出来ない代わりにスポーツは得意だった。水泳部や陸上部にいつも借り出されて結果を残していた。中学位までは勉強がダメでもスポーツが出来る奴がモテるって言うけど…。僕は例外だった。


 コミュニュケーションを取ることが苦手だし、自分が悪い事をした訳では無いと思っていたので僕から友達に歩みよる事もしなかった。だから、卒業するまで僕はほとんどの時間を1人で過ごした。そんな事もあり、この中学の同級生が誰も行かない高校に入学する事にした。まっ、成績が悪い僕はそこしか行けないって言うこともあったし、何より勉強が嫌いだし丁度良かった。


 こんな僕は兄にも嫌われていた。僕は4人兄妹の3番目。ある日家に帰ると机の上に紙があり、そこには大きく兄の字で〝死ね〟と書かれていた。これについても僕は全く理由が分からなかった。何でいつも僕は嫌われるのか?その日から兄とも口を聞いていない。


 高校へは自転車で50分かかった。でも、僕の中学時代を知る人は誰も居ない、それだけで空気が軽かった。サッカー部が無かったのでテニス部に入ることにした。そこで知り合った仲間とは高校を卒業してからも楽しく過ごす事が出来ていた。


 初めての恋もこの友達の同じ中学の子だった。

いつも男3人女2人、このメンバーで過ごしていた。女2人のうちの1人が僕の彼女だった。背が小さくてボブにした髪の毛が歩く度に揺れる、愛らしい彼女だった。彼女の明るさに惹かれいつも隣に居るようになった。そこからは何も言わなくても手を繋ぎ、キスをする関係になるまでそう時間はかからなかった。

 告白というものをしていなかった。改めて言うのが恥ずかしいってのもあったが言わなくても解って貰えるそう思っていたし実際彼女は解ってくれていた。友達公認で僕達は付き合っていた。

 


 

 

 





















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