第3話 「“王権”について」
“王権”。
数多の国々のトップに君臨する選ばれし国家たち、及びそれらが司る絶対的なチカラのこと。
この世界には、”王権”として下界を俯瞰し、時に干渉して世界を纏める者たちがいた。
“王権”になる方法にはいくつかある。
一つは、親の後を継ぐこと。
“王権”の血は受け継がれる。故に、そのチカラも子に受け継がれるということだ。
例えば、トルコがそうだったように。
それが”王権”に成る為の、一番の楽な道ではある。
だが、親の後を継ぐにしろ、結局は”王権”に成る為のもう一つの方法を取らなければならない。
それは、「味方」をつけることだ。
自分に賛同してくれる後ろ盾を豊富に付けること、それは必須条件であった。
“王権”として認められた後も、「味方」を増やして損はない。
むしろ、集まれば集まるほど、誰も逆らえない強力な”王権”となる。
そう、オスマン帝国が望んでいたように。
どちらにせよ、「国々を纏め、その上に立てるカリスマ性」、「王権の血を受け継いだ潜在的な能力」は必須となり得る素質である。
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そんな中で、全く関係のない立場から”王権”に成り上がろうとする国たちがいた。
場所はヨーロッパ。
イギリスとフランスである。
「オスマン帝国・謎の死、ねぇ……。」
「要は、王権の座が一つ空いたってわけだね。そうだろう、イギリスくん?」
「あ?フランスてめぇ、俺の後ろに気安く立ってんじゃねえよ。」
「ハハッ、怖い怖い。全く、喧嘩腰だねぇ。」
「けっ。……なぁ、フランス?」
「なんだい?」
「―― 俺、”王権”ってやつになってみてぇ。」
「―― 奇遇だね、ボクもだよ。」
「そうか。なら……、」
「どっちが”王”になれるか、勝負しようぜ。」
「受けて立とうじゃないか!美しくレースといこう。」
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