第3章 眼鏡の下の美少女

第9話 デートの誘い

 佐藤陸が初めて合コンに行って春風心優と出会ってから早1ヶ月。


 これまでの期間、佐藤陸は春風心優との交流を深めて行って、平日は2人とも大学に居たら一緒に昼ご飯を食べたり、休日は2人でご飯を食べに行ったりして2人は少しずつ仲良くなっていき。


 そんな関係を続けて行く内に、佐藤陸の心の中では春風心優ともっと仲良くなりたいという思いが少しずつ強くなっていっていた。そして……




 金曜日の夜、佐藤陸はアパートの自室でスマホを操作して春風心優の連絡先を開くと。


「……ふう、よし!!」


 佐藤陸はそう呟いて、通話ボタンを押して彼女に電話を掛けた。そして、数コール後に、


「もしもし、佐藤くん?」


 最近だとすっかり聞きなれた、春風心優の声が聞こえたので、


「ああ、俺だけど、春風さん、今時間は大丈夫か?」


 佐藤陸がそう聞くと。


「ええ、大丈夫ですよ」


 彼女はそう言ったので、佐藤陸は、


「それなら良かった、実は春風さんに聞きたい事があるんだけど、春風さんは明後日の日曜日に何か予定はあるか?」


 彼女に向かってそう聞くと。


「日曜日ですか? いえ、特に予定はありませんが」


 彼女はそう答えたので、佐藤陸は、


「そうか、それなら春風さんさえ良かったら日曜日は俺と一緒にショッピングセンターに買い物に行かないか?」


 春風心優に向かってそんな提案をすると。


「買い物ですか? えっと、佐藤くんは何か欲しいモノがあるのですか?」


 彼女はそんな事を聞いて来たので、佐藤陸は、


「いや、別に何か買いたいモノがあるわけじゃないんだ、ただ、久しぶりに観たい映画が出来たから、日曜日はショッピングセンターで映画を観たり色んな店を周ったりして過ごそうと思っていて、良かったら春風さんも一緒にどうかと思ったんだけど……」


 そこまで言うと、一度言葉を切ってから。


「いや、悪い春風さん、急にこんな風に誘われても迷惑だったよな」


 佐藤陸がそう言うと。


「あっ、いえ、そんな事はありません、多分、佐藤くんが観たがっている映画は私が今観たいと思っている映画と同じなので、佐藤くんと一緒に観られるのなら私としても嬉しいです」


 彼女はそう答えたので。


「えっ、あっ、そうか、それなら」


 佐藤陸がそう言うと。


「はい、佐藤くんが良いのなら、日曜日の買い物に私もお付き合いさせてもらいたいです、でも、ふふっ」


 突然、彼女が電話越しでそんな風に笑ったので、


「春風さん、どうかしたのか?」


 佐藤陸がそう聞くと。


「あっ、いえ、休日に男の人から一緒に映画を観に行こうと言われるなんて、何と言いますか、デートに誘われているみたいで少し面白いなと思ったんです」


「っつ!?」


 彼女はそんな事を言ったが、その言葉を聞いた佐藤陸は内心かなり動揺してしまって。


「……」


 電話越しで数秒間、黙っていると。


「えっと、佐藤くん、どうかしましたか?」


 少しだけ心配した様子で彼女がそう声を掛けて来たので。


「えっ、あっ、いや、どうもしないよ……えっと、春風さん」


「はい、何でしょうか?」


 彼女はそう聞いて来たので、佐藤陸はその場で小さく深呼吸をすると。


「まあ、デートの誘いだと思ってもらっても俺は良いぞ」


 内心かなり焦りつつも、普段通りの口調で彼がそう言うと。


「えっ、あっ、えっと、そうですか……」


 そんな答えが返って来るとは思っていなかったのか、春風心優は少し動揺した様子でそう言うと。


「……」


 彼女は少しの間、黙ってしまったので、佐藤陸は余計な事を言ってしまったと内心後悔しそうになっていると。


「……分かりました、デートという話なら日曜日はとびきりのオシャレをして佐藤くんと会いますね」


 彼女はそんな事を言ったので。


「えっ、ああ、分かった、それと日曜日の予定はこの後レインで送るから、何か問題があれば遠慮なく言ってくれ」


 佐藤陸がそう言うと。


「ええ、分かりました、それでは佐藤くん、明後日のデートを楽しみにしています……お休みなさい、佐藤くん」


「えっ、ああ、お休み、春風さん」


 佐藤陸がそう答えると通話が切れたので、彼はその場でため息を付いてスマホを机の上に置くと。


「デートのつもりで春風さんを誘ったのがバレたのは予想外だったな……まあでも、この買い物が上手くいったら春風さんに告白するつもりだし、最初からデートのつもりでいた方が気が楽か」


 そう呟くと、彼は日曜日の予定を彼女に連絡すると言った事を思い出して、スマホを手に取ると。


 レインを開いて、彼女に送るメッセージを打ちながら。


「……日曜日のデート、上手くいくと良いな」


 彼女の顔を思い浮かべながら、佐藤陸はそう呟いた。

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