どうでもいいこと。

柊木しき

第1話 かにかまぼこ

かにかまぼこ。略してかにかま。

私はこのかにかまぼこが気に入らない。


かにかまぼことは、魚のすり身を主に原材料としていてそこにカニエキスを加えてあるかまぼこのことだ。カニエキスが含まれているため食べると本当のカニを食べているような味、食感をしている。


見た目もカニに似せるため、パプリカ色素などを使用して赤くしているのだ。スーパーなどでもよく目にすることも多いだろう。手軽に本当のカニを食べているような感覚にさせてくれるこのかにかまぼこ。


だが、みなさんにお聞きしたい。


かにかまぼこは「かまぼこ」だということを忘れてはいないだろうか?


かにかまぼこを購入する時、かにかまぼこを食べるとき。

「かまぼこ」という部分を忘れてはいないだろうか。


「かにを食べたい」=「かにかまぼこ」!

「かにかまぼこ」=「カニ」

「かにかまぼこ」=「カニ」を食べてる



になってはいませんか。


よく考えて欲しい。かにかまぼこは、かに風味のかまぼこです。

かにではないのです。

目を覚まして欲しいのです。


私がかにかまぼこの何が気に入らないのかというと、かにかまぼこの態度だ。

かにかまぼこのくせに「自分、カニなんで。かまぼこじゃないんで。」という態度で奴らはスーパーに並んでいる。かにかまぼこは、自分のことをかまぼこの分類には属さないと思っているに違いない。かにというオプションが付いているだけのかまぼこのくせに。


あれはかにではない。かまぼこなのだ。かまぼこだ。

普通のかまぼこを見てみろ。「私、かまぼこです。よかったら手にとってみてください。よろしくお願いします。」って奥ゆかしく、大和撫子のようにスーパーに並んでいるかまぼこを。愛しくは思わないだろうか。


それなのにかにかまぼこときたら。まったく。



私は、かにかまぼこが気に入らない。

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