第二十五話 雷電東郷の稽古
大愛と電透の稽古が始まりその周りには電流が走っていた、2人とも目の色が開眼によって黄色に輝き両者一歩も引けを見せない稽古が繰り広げられた。
だが周りの風紀委員はその光景に目もくれずそれぞれの稽古を行っていた、ある者は自分の電流を測定し、ある者は電圧を測定し、またある者は他の属性との複合魔術の稽古をするなどしていた。
だがその中でただ一人大愛と電透の稽古をしっかりと見ている者がいた、それは東郷だった
東郷は他の風紀委員の稽古に付き合いながらも2人の稽古を観察していた
『大愛は全能力者ということもあるがまだまだこれからと言ったところか、もう1人の…確か電透とかいうのはかなり熟成されている、レベルは確か7だったかな、だがあれは戦い方によってかなり強さが変わってくるな上がりもすれば下がりもする、これだから若いのは面白い』
戦況は電透がリードしていたが大愛も必死に食らいつく、単純な魔術の操作には電透に軍配が上がるのは当然だがフィジカルが大愛を支えている、それによって雷の被弾を抑えることができていた。
2人が稽古を始めて気がつくとかなりの時間が経ちその日の祭り終了時間に達していた。
2人は今日の反省点や良かった点を話し合っていた
「電透の雷前よりずっと威力が上がってる気がしたよ!落雷のタイミングとか諸々のタイミングがすごく良くなってたよ!」
そう大愛が電透に正直な反応を見せると電透は頭をかき少し照れながらも大愛の雷についても話し出した
「大愛の雷も悪くないと思うぞ、案外お前のを見るのは初めてだったけどレベル1でもあそこまでやるとは思わなかったぜ、あと…俺の雷を褒めてくれてありがとな」
そう言って電透が笑った、それは今まで彼からは見たことの無い顔だった大愛はその笑顔を見てこちらからも笑った
そんな他愛もない時間を過ごしていると奥の方から東郷が向かって歩いてきた、その姿はとても機嫌が良いんだろうなと誰が見てもわかるほどだった、なんとその東郷が2人に話しかけてきた
「2人とも今日の稽古は良かったぞ、お前たちが良かったら明日2人まとめてわしが稽古をつけてやろうと思っていたのだが、どうだね?」
それは2人にとってとても都合のいい話だった、元々その計画でやっていたのだから相手の方からわざわざ来てもらえるなんて好都合でしかない。2人はもちろん承諾して寮に戻った
(っ'ヮ'c)クエエェェェェェエエエエエエ!!!!!コケエッーーーー!!!!!コッコッコッコッコケエェエエエエエエエ!!
翌日変なニワトリの声で目を覚ました大愛は電透と集まって夏祭りに向かった、そこには既に雷電東郷の姿がありその手には見た事のないような手袋をはめていた、大愛と電透が向かってきていることに気づいた東郷は大きく手を振って声を出した
「おーい!!大愛ー!電透ー!」
2人は走って東郷の元に向かい電透が真っ先に話し出した
「今日はお願いします!」
続けて大愛も負けじと言った
「おねがいします!!!」
東郷は2人のやる気を見て感心し、この日を楽しみにしていたんだなと思い今日やることを大きな声で話し出して今日の夏祭りが始まった
「ひとーつ!まずは放電でわしが認める数値を超えるまでは終わらんぞ〜!!」
電透は元々単純な魔術を出すのが得意だったため何回かの挑戦で目標数値を達成したが、大愛は魔術を魔具に取り込んで戦う魔術師のため、かなり時間が掛かった上にそれでもうヘトヘトだったが東郷が次の稽古を話し出した
「ふたーつ!次はサンドバッグを殴り続けろ!ただそれだけじゃー!10万回殴れば次は休憩だぞー!」
2人は10万という数字に驚きつつもサンドバッグを殴り始めた、10万なんて数えることすら面倒くさいと思っていたが…
「28、29、…32、33同じリズムでやってくれないか?数えにくいんだ」
なんと世子が超の力を使って2人の回数を数えていたのだ、元々不正をしようなんて気は無かったが、もし不正をしていた場合今よりも精神的なダメージは大きかっただろう。
4時間以上殴り続けて2人の2つ目の稽古は終わりを迎えて一旦休憩に入った、休憩に入り水分を取ろうと自分の水筒を取ろうとすると、手に今まででは耐えることができなかったであろう痛みが流れてきたが、なんとそれを耐えて見せたのだ、それにいちばん驚いていたのはもちろん当の本人たちだ、その光景を見ていた東郷は2人の元に行きこう言った
「自分の耐久力が上がっているのがわかるじゃろ、それはさっきまでの稽古で今までにないほど自分を追い詰めたからこそ掴み取る事が出来たものだ、さぁ最後の稽古を始めるぞ!」
「最後の稽古は…わしと2対1での模擬戦じゃ!使用可能魔術は雷のみ魔具の使用は認めよう模擬戦の内容は至ってシンプル、地に背中が着くやエリア内から出てしまったら負けというルールだ」
東郷からの最後の稽古の内容に最も食いついていたのは電透だった、電透の顔からは先程までの疲れは消え闘気で満ち溢れていた
「じゃあ外に出て魔術を交えようか!若き
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