神祇
外に出歩いて数時間、ぼくは都会人としての浅はかさを知った。
田舎と云う物は因習等でガチガチとした一面があり、余所者には厳しい部分があると。
冒険には付き物の漠然とした不安が一つ行く前から在りはしたのだ。
何処の家も過剰な程の歓迎ムードでぼくは少し満腹気味であった。
都会とは又違った群衆のハーモニーに困り、ぼくは村外れにある神社へと向かった。
ハクセキレイの鳴き声が心地よい森の音色を奏でる。
石畳の画架に緑一色のカンバス、其処に載せられた絵は、
人里と山には境目があり、不文律が定められているように、人と神とは交わるべきでは無いという考え方がある。
強い力を持つ者は在るだけで周りを傷つけてしまうものだ。
だからこそ、其れ以外の何かで制せねばならない。
其れが境界というものだ。
此の世の、人里の物は空蝉で在る。
故に繊細に愛さねばなるまい。
そして、そんな世に住む者は
そんな神を讃え拝み鎮め奉らんとする空間は文字通り人里や山からも離れた特殊な場であると肌で感じていた。
此処では蛇の神を信仰していると後で村の人から聞いた。
鼠を喰い、雨を
自然の持つ二面性を擬人化、否、神格化した者であろう。
此の神社に祀られている神も例外では無く、迂闊に触れると狂気や奇形の子を
ぼくは作法に則り、適切な参拝を済ませると、とある事を思い出した。昔、ぼくが此処で女の子と遊んでいた事を。
女の子の名前は、
此の小さな村では先程の歓迎で一度は目にしてもおかしくはないのだが、其れでも、今まで一度も目にしていない。
月日が経って面貌が変わったと言うには時間が短く、仲良かった者は雰囲気で判るはずだ。否、其れで判らずとも、ぼくには神通力がある。
其れから、数時間は村の人々への挨拶に時間を費やした。
子供にしては良く躾がされている、礼儀正しい等と褒められたが、ぼくは只其の子に逢いたかっただけだ。
結論から言えば、彼女とは再開出来なかった。
暫く塞ぎ込んだ所を、両親が心配そうにしており、転居早々に良い雰囲気とはいかなかったのが悔やまれる。
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