幕末から徳川将軍が最強すぎたもしもの物語(歴史苦手でも読めます)
@shingoK777
第1話 幕末の嵐、神の如き最強将軍が立つ
時は1860年代。日本は、嵐の前の静けさに包まれていた。黒船が来て以来、外国とのゴタゴタが絶えず、国内では「
第14代将軍、徳川
だが
「将軍様…このままでは…」
重臣の一人が震える声で進言した。
「…心配はいらぬ」
その声は、広間いっぱいに響き渡る。静かで、それでいて、地球の核から発せられたかのような重みがあった。
「全て、この私が終わらせよう」
京都、池田屋。
「このままでは幕府の好きにされてしまう!我らこそが、日本の未来を切り開くのだ!」
彼らの高揚感は最高潮に達していた。そこに、一人の若者がふらりと入ってきた。
「…将軍、徳川
若者は静かに名乗った。長州藩士たちは、呆気に取られる。将軍が、たった一人で?
彼らは笑い声をあげた。
「ふざけるな!そんな嘘が通じるか!」
藩士の一人が刀を抜いて襲いかかる。だが、その刀は
「な…!?」
藩士は驚愕し、刀を引こうとするが、まるで岩にでも刺さったかのように、微動だにしない。
「愚かなことだ。争いは、何も生まぬ」
彼らの槍や武具が、まるで意志を持ったかのように、宙に浮き上がり、バラバラと分解されていく。彼らは恐怖で顔面蒼白になった。
「ば、化け物か…!」
「俺たちの槍が…!弓矢が!」
彼らが叫ぶ中、
「お前たちの持つ武器は、全て無意味だ。そして、お前たちのその小さな力も…」
だが
多くの日本刀が、その場で藩士たちの足元に、静かに置かれていた。
一方、薩摩藩は、京都の動乱を静観しつつ、虎視眈々と機を窺っていた。西郷隆盛は、
「まさか…将軍自らが京都に…?」
西郷は、
「武器が砂のように崩れ落ちた」「戦意が根こそぎ消え去った」…。
にわかには信じがたい話だった。だが、報告に嘘偽りはないと、西郷は直感した。
「…徳川は…とてつもない力を隠していたのか…」
西郷は、これまで築き上げてきた薩摩の力を、
彼は、盟友である
「大久保よ…もはや、我らの出る幕はなか」
「しかし西郷さん…このままでは…」
「…戦ってはならん。我らの力では、あの御方には、指一本触れるすらできん」
西郷は、徳川に反旗を翻すという長年の野望を、自らの手で葬り去った。ただ、その表情には、屈辱とは違う、不思議な安堵の念が浮かんでいた。これほどの力が存在するならば、この国は、きっと平和になる。そう信じられるほどの、途方もない力だったからだ。
この後も将軍の躍進は続く。世界の列強はどう立ち向かうのか。
次回『軍艦は砂に、ロンドンは消滅の夢』
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