第15話 おっぱい揉んでくれない?

「ふふっ、本当にかわいい子……」

「も、もうエーテルニタス様ったら……あっ」

「…………」


 翌日の朝、俺は虚無顔で馬車に揺られていた。三人が余裕をもって座って向かい合えるスペースが両側についている大きな馬車だ。その片方の座席の右端が俺、左端がリリーで、その真ん中に俺のケツからにゅるにゅると伸びたエーテルニタスが鎮座し、半ばリリーと重なり合うように絡まり合ってイチャイチャしていた。


 イチャイチャしやがって! ……ふぅ、つい興奮してしまったが落ち着こう。こんな隣でイチャイチャされたら気になって仕方がないが、一旦落ち着いて窓の外の景色でも眺めながら現状を整理しよう。


 朝起きて、早速出発しようとしたら所長に呼び止められた。そして、王からの贈り物だと渡されたのは、魔力を動力源にして走る魔導人形を用いた魔導馬車だった。旅のお供にぜひ使ってくれということらしい。


 エーテルニタスの過去の記録で動物が怖がって逃げるというものがあったため、本物の馬を使わずにエサの補給や世話の必要もない魔導馬車に。


 しかも、超高級品のためなるべくトラブルを避けられるようにという配慮だろうか、魔導人形は精巧に本物の馬に似せて作られていて、ぱっと見では見分けが付けられないほどだった。


 その上、自動で走るから必要ないのだが、不自然に思われないよう御者の魔導人形まで付いていて、人との簡単なやり取りならこなせるようになっているという至れり尽くせりぶり。


 機械的なサスペンションか魔法の効果かは知らないが、現代の自動車で舗装路を走ってるのと同じくらい振動が少なくて快適な乗り心地。


 気になるけど、この魔導馬車の値段とか怖くて聞けないわ……。


 ただ、そんな快適な環境でも、隣でバカップルにイチャイチャされているという状況では全く落ち着くことができない。身体に触手を巻きつかれながら、時折、


「……あっ」


とか、


「……んっ」


 とか、微妙に悩ましい声を出されるのだからたまったものではない。さすがに一言くらい注意しようか、でも、嫉妬してるみたいでみっともないしどうしようかと、隣をチラチラ見ながら様子を窺っていると、


 ぴらっ


「もう、エーテルニタス様のえっち」

「うふふっ、どんなパンツ履いてるのか気になっちゃって」


 み、見えた……。研究所の制服、赤のブレザーにチェックのミニスカートという現代の学生の制服みたいな格好の、黒いタイツ越しの白いおパンティが……。


 悪戯っぽく触手を使ってリリーのスカートをめくるエーテルニタス。しかも、一回では収まらず、二回三回とスカートをめくられまいと押さえるリリーの手をかいくぐるようにじゃれながらめくりまくり。その度に俺はどうにか不自然にならないように、横目を使ってパンチラを盗み見る。


 いや、よくないことだけどこれはもうしょうがないよね? だって、パンツだもん。しかも、美少女のパンチラだもん。自分が好きだった人のパンチラとか、そうそう見れる機会ないしね。


 しかし、エーテルニタスは、いや、エーテルニタス様は俺の想像を遥かに超えてきた。その叡智はさすが最強種のモンスターだと讃えざるを得ない。


「ほら、リリー。もう手を使って押さえちゃダメよ? はい、手は身体の横」


 ぴらり


「え、エーテルニタス様、これじゃスカートの意味ないですよ……もう」

「ふふっ、恥ずかしがる顔も可愛いわよリリー」


 なんと、エーテルニタスはリリーの抵抗を禁じるとスカートをがばっとめくり上げ、触手を使ってそのままの状態で固定してしまったではありませんか!


 これでリリーは常時パンチラ……もといパンモロ状態。予想外の事態に俺もキョドりまくりつつ、チラチラとパンツを見まくらずにはいられなかった。


 ああ、ありがとうエーテルニタス様。わりとガッツリ見れたおかげで、黒タイツ越しでも中央に小さな赤いリボンの付いたお清楚な純白のパンツだということもわかりました。本当に、ありがとうございます……。


 思わぬ幸運に内心ガッツポーズをしながら、今日はもうこれでいいやと満足した気持ちでいると、


「エーテルニタス様、そんな……んっ、もう触り過ぎですよ、ふふっ」

「本当にリリーは形のいい胸してるわね、つい触手が伸びちゃうわ」


 エーテルニタスが触手を胸の周りに巻き付け、先っぽでぷにぷにとリリーの胸を触り始めた。触手に巻き付けられ軽く絞められたことで胸の大きさや形が強調され、ぷにぷにと弄ばれたことで柔らかさまで想像できて……俺の息子は反応せずにはいられなかった。


 くっ、これからの旅ずっとこの調子なのか? 隣でこんなセクハラを目の当たりにしていたら、生殺しにもほどがある。頭がおかしくなりそうだ……。


 これからのことを思い、悲嘆に暮れていた俺にエーテルニタスは急にとんでもないことを言ってきた。


「うーん、これはこれで楽しいんだけど、やっぱり触手じゃおっぱい揉み辛いわねぇ。……あっ、ちょうどいいところで新しい機能を獲得出来たわ。ねぇ、ジャン」

「……なんだよ?」

「私の代わりにリリーのおっぱい揉んでくれない?」

「……は?」


 この一言で全てが変わった。何もいいことが無かった俺の異世界生活が、何だかんだ大変なことがありつつもエロに彩られた素晴らしい冒険の日々に変わっていくのである。

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