【10】心霊写真「滝の裏」

『禁足64窟』 第10窟 (廃墟サイト UNDOの驚異の部屋)

投稿日時:2010年5月1日(土)

執筆者:UNDO(アンドー)


この国には絶対に入ってはいけない禁断の巌窟が64か所存在する。

昨年3月発行のとあるコンビニ本にその中の第10窟と疑わしき巌窟に関する話が掲載されていたと情報があった。以下に内容を掲載する。



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◆『一番怖かった心霊写真』(投稿者:ひろ子[大阪府])


正直、幽霊とか、心霊写真とか全然信じていなかったんですけど、人生で一つだけお寺に供養を頼んだ写真があります。その写真、結構ヤバいものだったようです。


その写真を撮ったのは社会人2年目のとき、高校の同級生のF美と九州に旅行に行った時です。

飛行機で熊本に行って、そこでレンタカーを借りて鹿児島の桜島と宮崎の高千穂をまわる計画でした。


熊本から鹿児島へは山の中を突っ切る国道を使って移動していたんですけど、途中昼ご飯を食べた時に、地元のおばさんから近くにきれいな滝があるって聞いてそこに寄り道したんです。

何ていう名前なのかわかりませんが、実際に行ってみると大きめの滝があり、結構迫力がありました。


その時F美とその滝をバックに写真を撮ったんですけど、現像したものを見たときかなりビビりました。


私たちの後ろに映っている滝のところに、はっきりと白い人影が写っていたんです。

明らかに人間の形をしていて、でも大きさはそんなに大きくなくて、幼稚園児くらいの子どもの背丈でした。顔も体も白く、なんというかオーブに包まれたような感じでしたが、じっとこちらを見ている気がするんです。

とにかくあれは人間じゃなくて幽霊なんだろうなということは見た瞬間わかりました。


その幽霊は足も映っていたんですが、足は地面についていなくて、滝の中腹部の。空中浮遊でもしない限りそこに行けないだろっていうとこに写っていました。


そこから1か月後に高校のクラス会がありました。

呑みの場で旅行の話になって、F美がケータイにその写真を撮って保存していたので、心霊とかオカルトが好きな男友達のK太にそのことを話したんです。


K太は親戚が鹿児島にいて、今度お盆に帰るから時間あるときにその滝に行ってみるって言うんです。人生で一度も心霊写真を撮ったことがないようで、妙にワクワクした様子でした。


クラス会から2週間後、K太からメールがありました。

どうやら例の滝に行ったみたいで、メールの本文にはこう書かれていました。


「心霊写真の滝に行ったけど滝の裏に洞穴があったから入ってみた」


そのメールには6枚の写真が添付されていました。


一枚目はお地蔵さんの頭部を写したもの。

洞窟の入口にあったようで、その顔は目や鼻、口といったパーツがない代わりに、「+」

というマークが彫られていました。よく人物のデッサンで顔を描く際につけるあたりみたいなやつです。


二枚目は、洞窟の天井を写したものでした。

真っ赤な糸がいくつもぶら下がっていて不気味でした。


三枚目は洞窟の床を写したもの。

泥だらけになった人形や十数年はそこにあっただろう古い花火セットなどが置かれていました。


四枚目は洞窟の奥の方を写した画像。

まだ奥に道が続いているようでしたが、ライトで照らしてもその先はほとんど見えませんでした。ただ、心なしか途中で壁が青色に変わっているようにも見えました。


五枚目と六枚目は灰色の画像でした。

容量を見てみると0キロバイトだったので、おそらくエラーが生じて正しく送信できなかったのでしょう。

何を写したのかちょっと気になりましたが、これまでの写真が既に気味悪かったので、あえて聞くのは辞めました。


K太には悪かったけど、何か見てはけないものを送られたような気分になって、そのメールには返信しませんでした。


そしたらその1週間後、K太からまたメールが来ました。

内容はあの滝の裏の洞窟に行ってから、変なことが増えたというものでした。


住んでいるアパートに帰るとき、なぜか自分の部屋がある階より上の階まで登ってしまったり、K太は建築現場で働いていたんですが、気を抜くと作業を担当している場所よりも高い場所で作業していて怒られたりと、自分でも異常と思うほど変なことが増えたって言うんです。


そのメールからさらに3日後、K太から「一緒にお祓いに行ってくれないか?」と連絡があったんです。

正直、何で私だけ…と思って、F美も誘ったんですが、F美は「おばあちゃんが危篤になった」とか言っていたので、仕方なく私だけK太と一緒にお祓いに行くことになりました。

ネットで評判がいい場所を探して、K太と日程を合わせて私の車でそこに行きました。

そもそも、私とF美が撮ったあの写真が事の発端だったし、どうせならその写真も供養してもらおうと思い一緒に持っていきました。


寺に着いて受付する際、この写真も供養してくださいとお坊さんに渡しました。

こういうのって、よくある怖い話だと「とんでもないもの持ってきましたね。うちではどうすることもできません…」とか言われるのかなと思いましたがそんなことはなく、快く引き受けてくれました。


お祓いは何事もなく終り、その後K太の生活は日常を取り戻したようです。

一緒に行かなかったF美も、おばあちゃんが危篤状態から回復したようで、一件落着となりました。


…ただ、それはあくまで私たちだけの話だったようです。


K太が建設に携わっていたビル。

完成して2か月後に飛び降りがあったみたいです。


飛び降りた人は、私が写真の供養をお願いしたお寺につい最近まで勤めていたお坊さんだったようです。


私がお祓いや写真の供養をお願いする際に受付してくれたお坊さんだったかは調べていません。

怖くてそんなことできません。


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