『生きてるって言ってみろ!』

トンチキマン

第1話 たのしい売春のやりかた

○五十嵐家・自室(夕方)



五十嵐正(18)が、iPhoneの画面をのぞき込むと、インカムになった画面に大きく五十嵐の顔が写る。


※(ここから、五十嵐のiPhoneからの、カメラ定点視点)


画面に手を伸ばし、ガタガタと画角を調整している。


画面から五十嵐が離れ、床に胡坐をかいて座ると、

薄汚れた和室に赤羽リサ(36)が、

勉強机の椅子に脚を組んで座っているのが写る。



※(カメラ定点視点ここまで)



赤羽、五十嵐を後ろからゲシゲシと足蹴にする。



赤羽「だ~か~ら~、撮るのはムリぃ!」(トロい喋りかたで)


五十嵐「だいじょーぶ! ちゃんとモザイクかけるから! かわいらし~い小ジワもばっちりお隠しできますよ」



※(ここから再度カメラ定点視点)



赤羽、足蹴をやめて、



赤羽「はぁ~? モザイクって、これ撮ったらネットにあげるつもりじゃないよねぇ?」


五十嵐「ご安心! なんと、それで儲かったら収益の半分をお支払いします!」



※(カメラ定点視点ここまで)



赤羽、また蹴りを入れる。


赤羽「ヤバこいつ! だったらまずさっき払った一万は返してぇ!」


五十嵐「今それ返したら、もうサーティーワン買う小遣いもないよぉ!

 絶対バレないようにするから。

――想像してごらんよ。

こ~んなに背徳的で倒錯的でさあ、

PTAのおばさま方が卒倒するような最低なことしてさ、

そんでお金まで稼げちゃったら最高じゃない? スカッとするぜ~?」



五十嵐、跪いて、赤羽の足の甲ににほおずりをする。



五十嵐「こんなのリサちゃんじゃないと絶対頼めないんだよぉ」


赤羽「(しかたないなあとため息つき)せめて半額は返して!」



物が乱雑に散らかった部屋に、せんべい布団が敷かれている。

五十嵐は赤羽にたおやかに媚びるようにしなだれかかり、ゆっくりと膝立ちになって、囁く。



五十嵐「今日は親の帰り遅いから、たっぷりできるよ。リサちゃんの方も大丈夫?」


赤羽、喉で小さく笑う。


少しの間。



赤羽「(急に低いトーンで)……脱げ」



五十嵐、すこし目を伏せ、制服のジャケットを脱ぎはじめる。

ゆっくり制服のネクタイを緩める。

五十嵐、流し目を赤羽に送り、

白いシャツのボタンをひとつひとつ外す。


五十嵐のボタンを外し切ったシャツの下には、

女性用の真っ赤なランジェリーが現れる。



第一話 終

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