第41話

 ぴっ――。その携帯の名前が消えるまで。「ふぅ~~~、ダメだなぁリンちゃんは、まるっとこうなるのは分かってたよねぇ」

 そう言うとマイチは笑う。すると部屋に入って来る壮太が……。


「いやぁ……、ありがとうございますマイチ先輩っ。本当に何度か寝ちゃったみたいで俺……ハハ。ゴハンまでご馳走になっちゃって、こんな」

いつもありがとうございます。

 壮太は頭をかく、マイチが2世代下の弟の、その目と耳を隠して笑ってる。

 ここで予想外の……。


「壮太くん……、じゃあお泊まり……大丈夫だよ、まるっと親いない」

「えっ――――――――――――――」

 その言葉に固まる壮太。そしてその笑顔の奥にあるマイチの……。


「いや……、イヤイヤっ。あの………コーハイ先輩。でも俺さすがにそこまではできませんよっ、輪廻がまだオレ……」

「えぇ~~? でもぉ……、元通りになるのはかなりハードル高いよぉ? だってさぁ、まるっとあの子記憶ないんだ、つまりは問題ないんだ……ほらもう何やってもって――」んぅ……ンヂュ♥

 首を吸ってくるのだ、だがしかし明らかにスル気だった。逃げても吸いつく、それに良い匂い過ぎるし……。しかもこれ……きっと裸体の為の仕込みだ、初めてでも分かる。芳醇な程に籠った汗と匂いが混じって胸元から溢れ、つゆだくとなって。


 脱がせばきっと思った以上に激しい匂いのオンナなんだろう。


 近くにいるだけでマズイと……。


「でもほらほらぁ……、私、このタイミングで誘ったんだよ?ねぇ……花火見えるよねえ?逃げちゃだめだよ……、意味わかるはず――」

ほら……慰めてあげるよぉ。


 迫るカラダ、かなり気まずい気配だが、それは真実なのだろう。暗闇が敷くしきりと草原、少しの住宅でそして……、花火。

 遠い……。その胸の感触が異様に大きくて熱い、広がって行く、すると玄関で音が……。


 ガラララ――。どっどっドっドっ……。


「あぁえぇ……―。私、眼を閉じて耳を塞ぐの得意ですから」

 そう言うとあっさりと風呂に入ってしまう灯火。

 そしてドキドキの、寝室を一緒にしてしまう3人で。


「一応ですが……、マイチ先輩の為に来たのよ。まぁここまで来てその人らしいですよねぇ……フフ、やれやれだわ」

ただ……、出てほしくなったら言って頂戴。

すぐによ―――。

――――――――――。



 灯火だけが程遠い、逆にマイチは異様に近い。ため息ついて……。その真っ暗闇でも浮かぶくらい白い灯火がコッチに背を向けて、でもやっぱり戻って来て。


「ハぁ―――。ねぇ……、正直別れなさいよ……戸北 壮太。あの子の為にアナタに時間を使うのもしんどいのよ、ただ……」

違うアプローチでなら良いです、今ならね。

「いや……、でも輪廻はさ……。彼女はこれが終わればまた1からになるんだろう? だったらさ……―。思い切って少し考え方変えたよ、俺そう言ったろうにっ……」


「ふぅ……――フフ。でもどうせ1になっても同じよ、気を使われて、手加減されてただけじゃない……。それに私も散々なんですよ、まさかアンタに知られるとは……、ハぁ……――ぁ」

事務所……どうしよ――。

 険悪な雰囲気の中、だが耳元で……。

じゃ~ぁ~……、私はハーレム要員って事で♥「1になっても10でもねぇ、まるっと色々貸してあげるよ~壮太くぅん、フフフ♥」


「うぅぅ!?マイチ先輩……。あの……っ、本当に入って来るのは卑怯ですよ、あの…………っ、アナタ本当に遠慮とか羞恥とかは」先輩ぃ――!?

「でもホントにあの子は寝ちゃうよぉ、ねぇ……、忘れる間は50・50で良いよねぇって」フゥ……フゥ……。フゥ……。

「本気……、ですか? いや、あの……っ、マイチ先輩はそんな人じゃって思ってたのに……俺っ……!」


「うん――? でもどうだろ~、でもあの子の隣にいればさぁ、役得ってやつだねぇ。私は結構好みなのねぇ、君が」ほ~らほら♥


 すると我慢できなくなってマイチ先輩を転がしてしまう。


 それは下着が闇の中で浮かぶ姿。綺麗なマイチの顔、何よりもっっちりとした肉感、大きな大きな胸。

 抵抗する様子もなくて……。


「なんて……―――――――――」はァ……はァ……こんなのありか。

 花火の音が止まった。近くの花火を聞いていた―――。

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