ドラゴンライダーの条件~異世界いったらドラゴンに乗せられ地獄の激戦区に放りこまれたので、ぜったい生き残ってやろうと思います!~
鏡俊也
第1章 異世界で無理やり戦わされることになったんだけど
第1話 普通で平凡な失恋と、はじまりのクラクション?
俺、速水蒼真(はやみ そうま)の人生は、いたって普通だったと思う。
まあ、地味で平凡というか、そんな感じの18年だった。
たぶん、だれに聞いてもそういうだろう。
普通、だった。
間違いなく。
この日までは。
いきなりだけど、俺には小5の頃からずっと好きだった、同級生の女子がいたんだ。
小中高とずっと同じ学校で、同じクラスにも2回なった。我ながら長い初恋だと思う。
この日、ついに長年の迷いをふりきり、告白しようと心に決めて、学校へいった。
のだが。
昼休みのわたり廊下で、クラスメイトの男子に告白しているその子の姿を見ることになってしまった。
ちょっとどころではなく、ショックを受けた。それはもう、でかいやつを。
マジで立ちくらみがした。
よろよろとしながら、その場から逃げた。
俺の長い長い初恋は、当たる前にそれは見事に、くだけてしまった。
なんてこった……。
その日の帰り道。
なんで? なんであいつ? 俺の頭の中でぐるぐるとさっきのシーンがリフレインしていた。
相手はサッカー部だけど、キャプテンでもなければレギュラーでもない。背も高くないし、ハンサムでもない。
だいたい、これまでそんなそぶりは、なかったと思うのだが。
けどまあ、しかたないよなあ。あの子があいつを、好きだっていうんだから。
こんなことって、あるんだなぁ。
そういえば、『恋はいつでもハリケーン』だって、あの海賊冒険ものでもいってたっけ。
俺はそのハリケーンに、ふき飛ばされてしまったというわけだ。
あ~あ。
そんなことを考えながら、たらたらと横断歩道を歩いていた。
信号の色なんて、まったく目に入ってなかった。
そのことに気がついたのは、クラクションの大音響がすぐそばでなりひびいたときだった。
あっ、と思ったときには、もうおそかった。
というより、突っ込んでくる車をみたとき、目の前が真っ白になって、意識がとんでしまったのだった。
けどまあ、安心してほしい。
ひかれてない。
と、思う。
たぶん。
そしてこれは、終わりじゃなかった。
『平凡』は、このときキレイさっぱり消え去ってしまった。
巨大なドラゴンと、魔物との戦いと、それから美少女たちとお姫様……。
そんな俺の、なんかとんでもない異世界物語の、はじまりだったんだよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます