(魔)女性活躍(異)社会 ② 魔女の世界——エーテルワールド

伽図也

① 女性活躍社会+異世界=魔女

 今、世の中では、『女性活躍社会』が叫ばれて居る。


 なので、此処は是非、魔女の話を語らせて頂きたい。


 何故魔女かと云うと、女性にしか務まらないからだ。


 似た様なもので、魔法少女為るものが在るが、其れらは明らかに未成年で在り、『社会』で『活躍』する『女性』ではない——労働基準法では中学生以下の就労は禁止、と有る。


 因みに世には、野郎や成年で在り乍ら魔法少女を名乗る巫山戯た輩も居る様だが、然様な屈折した者達には正直関わりたいとは思わない。


 後、似た様なもので『聖女』とか有るが、此れは『聖人』の女なので、女性縛りではない。『巫女』もシャーなので女性に限らない。


 逆に魔女の男版を『魔人』とするには少々無理が有る気がする。


 と云う事で、魔女は矢張り女性が担うもので間違いない。


 ………


 で、最も重要なのは、『社会で活躍する』=職業として従事する、だ。


 なので、此処では、職業としての魔女を語りたい。


 魔女を仕事とするなら、彼女らは何をするだろうか?


 箒で掃除するのか?

 水晶玉で占うのか?

 鍋で薬を煮詰めるのか?


 尚、運送業に関しては、他作品に任せるとしよう。


 何れにせよ、生業なりわいとするなら、収入に繋げねば成らない。稼げなければ続かないからだ。


 だが稼げるかは、付加価値の次第に掛かって来る。


 ではの付加価値は何に成るのか?


 は当然、魔女に固有の優位性だろう。


 では其の『固有の優位性』は何なのか。


 普通に考えるなら、『魔法』なのだろうが、然様な答えでは在り来たり過ぎる。と云う訳で、先ず、『魔女』の定義から改めさせて頂きたい。


 先ず、字を見る限りでは、『魔』の『女』である。次に、姿で見るなら、多くは黒装束の老婆で語られる。して、行いの面で見ると、呪法等の異術を振うもの、とされて居る。尚、思想や性格に関しては、良く聞く限りでは、『悪』の様である。


 ならば、『魔』とは=黒色+高齢+異能+悪道、という事に成る。


 善悪に関しては、『悪魔』と言う言葉が有るが、意味が重複し、重熟語にしては属性が不釣り合いなので、『悪』とは限らないのかもしれない。


 技能に関しては、仕組が伏せられているか、原理の明かされていない法術の類を一般に『魔術』と呼ぶので、取り敢えず異能で良いだろう。


 年齢に関しては、技能を得るに年を経る、と云う事で納得行く。


 色に関しては、『悪魔』も『魔術師』も総じて黒尽くめで、又、コーヒーを『魔の様に黒い』と称する処もあり、う言う事なのだろう。寧ろ黒色は、『魔』の示す暗く妖しい印象を語る故かもしれない。


 『魔窟』とか『伏魔殿』とか等の言葉を見ると、『黒』=『陰妖』=良く判らない、で在り、未知なるものへの畏怖が『悪物』扱いの理由なら、『魔』の本質は『異』に帰結する。故に——だからなのか、私達の歴史の中では、魔女は迫害の対象だった。


 だが、今『異』といえば『異世界』、は概ね『Swordand魔法Sorcery』——『未知』が追放された現代では、逆に『異』を欲されて居る。


 れは恐らく、『魔女』達が此れ迄の迫害の逆襲として私達に『魔法』を掛けているに違いない。



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