第18話 金髪美少女の好きの気持ち
「せっかく家に来てくれたのに、一人で待たせてごめんなさいね」
「いえ、お話は終わったんですか?」
「ええ。話したい事はちゃんと話せたから大丈夫よ。それよりもこれからは私とゆっくりお話ししましょう!」
母さんは楽しそうに愛夏に語りかけていた。
俺が連れてきた異性の友人に相当に興味があるらしい。
「はい! 私もお話ししたいです!」
愛夏はとても乗り気みたいで母さんと楽しそうに談笑を始めた。
今聞いた感じ、そこまでヤバイ話は出てきていない。
でも、いつ母さんが恐ろしいことを言い始めるかヒヤヒヤして背中から変な汗が止まらなかった。
「そういえば、なんで愛夏ちゃんは瑠衣のことが好きになったのかしら。そこらへん、すっごく詳しく聞きたいわぁ~」
危険視していたことがすぐに起ってしまって俺は絶望する。
こうなった母さんは止まらない。
そのことを、長い付き合いの俺はよく知っている。
「え……い、今ですか? 瑠衣君がいると少し恥ずかしいです」
顔を真っ赤にして愛夏は俯いてしまう。
そんな可愛い愛夏をみた俺も恥ずかしくなって咄嗟に顔を背けてしまう。
(なんだアレ。可愛すぎるだろ)
流石の可愛さに俺の心臓が悲鳴をあげる。愛夏と一緒に居ると寿命が縮みそうだ。
でも、こんなにも可愛い子と一緒に居て寿命が縮むのならそれは良いことなのかもしれない。
「なるほど。瑠衣、あんた席外しなさい。終わったら電話するから」
「……へ?」
こうして俺はリビングどころか家からたたき出された。
なんて理不尽な。
『ついでにアイスでも買ってきて。私と瑠衣と愛夏ちゃんの三人分ね』
というメッセージが飛んできた。
少しイラっとしたけど、どっちみち家には帰れないし素直にコンビニに向かうことにした。
でも、話し終わるタイミングがわからないとアイス買っていけないんだけどな。
「はぁ」
愛夏と楽しく家で過ごせると思っていたのにこんなことになってしまって非常に残念である。
◇
「よし。邪魔者はいなくなったしこれでゆっくり話せるわね」
「じゃ、邪魔者?」
瑠香さんは清々しい顔でそういっている。
そんなに私が瑠衣君のことを好きになった理由を知りたいのかな。
でも、こうなってしまった以上話さないといけないっぽいよね。
「瑠衣は親の私が言うのもなんだけどスペックは高いと思うのよ。でも、なんだか愛夏ちゃんはそれだけが理由じゃないような気がするのよね。そこの所どうなのかしら」
「確かに、瑠衣君はとてもスペックが高いと思います。学校でもすごく良い成績を取ってますし、運動神経も良くてカッコいいです。もちろんそういった面も大好きですけど、私が一番好きなのは瑠衣君の内面です」
私が瑠衣君の一番好きなところはやっぱり性格だと思う。
いつも優しくて、困っている人を助けることができる人で。
そんな瑠衣君に私はいつの間にか恋をしてた。
気が付いたころにはもう止めることができないくらいに、好きっていう気持ちが溢れ出してた。
でも、瑠衣君が見てるのは私じゃなくて穂乃果ちゃんだった。
「内面、瑠衣の?」
「はい。いつも優しくて、誰かのことを思いやれる瑠衣君のことが大好きなんです」
だから、瑠衣君が穂乃果ちゃんに振られたって聞いて少し嬉しくなっちゃった。
やっと私にもチャンスが出たんだって思ったら嬉しくて仕方がなかった。
「確かに、あの子は優しいけどそれだけで好きになるの? 何か決定的な出来事とかがあったんじゃないの?」
「そうですね。私は高校一年生の時に瑠衣君に助けられてるんですよ。私が男の子に告白されて断ったのに、その人は私に強引に迫ってきて。その時に瑠衣君に助けてもらったんです」
「そうなの。相変わらず、あの子は困っている人を放っておけないのね」
瑠香さんは嬉しそうに微笑んでいた。
その笑っている顔が瑠衣君の笑っている顔にすごく似てて、やっぱり親子なんだなと思う。
「本当にあの時の瑠衣君はカッコよくて、助けてくれた後すぐにどこかに行ってしまったんですけど」
「それもあの子らしいわね」
「普通の男の子ならそういうときってすぐに話しかけてきたんですけど、瑠衣君は全くそういう気配がなくて。そういうところにも好感が持てました」
瑠衣君からは下心を全く感じなかった。
だからこそ、仲良くなりたいとも思ったし、この人のことをもっと知りたいとも思った。
「まあ、それは多分だけどその時に瑠衣が好きだったのが穂乃果ちゃんだからっていうのもあるかもしれないわね。あの子、基本的に好きな人とか大切な友人以外に興味を示さないから」
「だとしても、私はあの時瑠衣君に助けられて気になって瑠衣君のことを目で追うようになったんです。そしたら、やっぱり優しくて。道端で困っているおばあさんに率先して声をかけたり、迷子を交番まで届けてあげたりしていて。そういう面を見て一層好きになったんです」
いつも穏やかな笑顔をのぞかせて誰かを助けている瑠衣君が本当にカッコよくて私は恋に落ちたんだ。
「ふふっ。そこまで瑠衣のことを語れるっていうことは本当に好きなのね。そこまで息子を好きになってくれる女の子が現れて私は本当にうれしいわ」
瑠香さんは本当にうれしそうに微笑んでくれていた。
その優しい笑顔につられて私も表情が緩んでしまう。
「これからも息子をよろしくね。不器用でちょっと卑屈な子だけど根はいい子だから根気よく付き合ってあげてね」
「はい! 私は瑠衣君と一緒にいるのが大好きなので任せておいてください! ずっと一緒にいますから!」
「ふふっ。こんなにいい子が瑠衣と一緒にいてくれるなら安心ね。じゃあ、そろそろ瑠衣を連れ戻そうかしらね」
そういって瑠香さんはスマホを操作して瑠衣君にメッセージを送っていた。
数分後にはビニール袋を持った最愛の人が戻って来るのだった。
◇
「母さんとはどんな話をしたんだ?」
戻ってきてからすぐに母さんはお昼ご飯の準備をすると言ってキッチンに行ったからリビングには俺と愛夏の二人だ。
「他愛もない世間話だよ! それよりも瑠香さんってお料理上手なの?」
「露骨に話をそらそうとしてるよな? それになんだか頬が赤いぞ?」
愛夏はそっぽを向いてこの話題から違う話題に移そうとしていたけど、何を話していたのかは気になるところではある。
まあ、流れ的に愛夏が俺のことをなんで好きなのかとかかもしれないけど。
「……やっぱり話さなくていいぞ」
そう意識してしまうと急に恥ずかしくなってきて話を聞く気にはなれなかった。
「そう? ならいいんだけど。瑠衣君顔赤いよ~ふふっ」
愛夏は俺が照れて顔を背けると同時にニヤニヤし始めて、俺の頬を人差し指でツンツンしてくる。
攻められるのは苦手なくせに攻めるのは好きな性格は何とかしたほうがいいとおもう。
「や、やめろよ」
「ふへへ~瑠衣君可愛い~」
そういいながら愛夏はずっと俺の頬をツンツンしてくる。
とても可愛らしいのだけど、少しくすぐったい。
こんなことをしていて付き合っていないのだから、俺たちの関係性も大概おかしい。
俺が愛夏にツンツンされながらいつ告白しようか考えるのだった。
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