狂愛 (過激描写を含みます)
“○△□○視点”
ルネットがプリモの弟にされ2週間ほどが経過した。その間、プリモのルネットに向ける愛は常軌を逸するものであった。
たとえば食事は毎回、プリモ自身が作っていた。屋敷の調理人がいるにも関わらず、自分の分とルネットの分を調理していた。調理をする際は、屋敷の者一切を立ち寄らせなかった。たとえ愛するルネットだとしても。
誰も立ち寄らせない理由がプリモにはあった。彼女は料理に魔法〈精神干渉魔法〉をかけていた。正確には、ルネットの料理に。
この世界の魔法というものは随分と便利で、人体や物体、事象に変化をもたらさず効果を与えられる。文面だけだと分かりづらいが、要するに都合の良いものだということだ。
ということもあり、ルネットは知らず知らないうちにプリモの精神干渉魔法を少量ずつ受けていた。精神干渉魔法は十分量受けると、術者の思うがままに対象者の全てを操ることができるという魔法である。ルネットの場合は2週間ほど、一日に3回分の魔法を受けていたので、プリモがその気になればいつでも操られるであろう。
この行為のどこが愛なのか理解ができないが、プリモにとっては立派な愛情表現なのであった。
その他にもプリモはルネットの首に、首輪をつけていた。動物などに着けるような首輪を。その首輪の裏には彼女しか知らない言葉が刻まれている。
『私の
プリモにとってルネットは、弟であり所有物でもあるのだろう。プリモはルネットに、離さないという歪んだ愛で首輪をつけた。
このようにプリモの愛は、愛の一種であった。はたからみれば異常である行為も、料理の事に関してはルネットも知らないがその他の行為は平然と受け入れていた。
いや、その行為が常識であるかのように。ルネットは知らぬうちに、心を”さらに”染められていったがその全てを笑顔で受け入れていた。ルネット自身も、”気持ちの良いもの”であったからだ。
そのせいでプリモは、笑顔で自身の愛を受け入れてくれる
それからまた2週間ほど経った頃、ルネットは心を染められるだけでなく”歪められる”ことになっていく。その光景は異質どころでとどまるものではなくなっていった。
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