ぬいぐるみと血
女は電車に乗っていた。
―お前、こっくりさんをやるのか?―
そう女に聞いてきたのは熊野神社で先ほど女が手に入れてきた直径一センチの水晶玉だった。
―いや、やらない。今みたいにつがいとは念派で話をするけど。―
女は念派で人ならざる者とよく話をする。
ともあれ、神から祈祷を受けた石にとって女の第一印象は最悪とはいかないまでもまあ悪かったわけだ。
女は一応、スマホでコックリさんが何のことなのか調べることになる。
今はなんでもスマホで調べれば片が付いてしまう。
“これね、こういうの昔から嫌いで絶対にやらないしやったことがない。”
ふと女はそれに関連する事付けで―ひとりかくれんぼ―の欄を見つけてしまうわけだが…。
「なにか聞いたことがあるな。」
女はスマホでタップして―ひとりかくれんぼ―を調べだした。
やり方
【ぬいぐるみを用意し―以下略】
まあ、女がここで思ったことは。
―まず絶対、やらねー。
嫌なんだよそういうの。
―欄外だが物語の途中で済まない(笑)この女の難儀な所はなー?
偶然と不気味な事によく巻き込まれる所なんだなー?―暁
さあ諸君、物語のタイトルからしてこの女の身に一体何が起きたか想像できるかな?
―んで? んで?―
さて、諸君、この女は人間じゃない者どもと念派で会話出来てしまう妙なマネが出来るわけだが…。
当然、女の家に2つある“ぬいぐるみ”とも会話出来てしまうわけだ。
女は2つあるうちのお気に入りのぬいぐるみに聞いてしまったのだ。
―ねえ、仮にひとりかくれんぼをルキアとやったらどうなるの?
(ルキアというのはお気に入りのぬいぐるみの名前だ。)
もう一体のぬいぐるみの名前はオウホウである。
―お察しください―
ルキアの答えはこんなものだった。
―そうだな、互いになんとなく息を引き取ることになるな。―
女はそれをルキアから聞いてビミョーな顔をした。
「何そのなんとなく息を引き取るとかジョーク漫画じゃあるまいし。」
いや、欄外からみえないひとである私からツッコムが女のお前の存在そのものがジョークのようなものだ。
ルキアのぬいぐるみを買った時ですらさんざん不気味な目に遭ったことも忘れておるわい。
この女がルキアのぬいぐるみを買った際、いつの間にかぬいぐるみに胸を触られていたり、霊体でぬいぐるみから夜這いをかけられたりとさんざんな目に遭っておる。
まあ、好かれているようだから…。
―本気でひとりかくれんぼなんかしようものなら、もっていかれても仕方ないかもしれんなぁ?
ひとりかくれんぼで用意するもの。
1, 手足のあるぬいぐるみ。
2, ぬいぐるみに詰めることが出来る程度の米。
3, 縫い針と糸(赤い糸が良いとされ血を入れるはさらに危険度が増すとされる。)
4, 自分の爪
5, 刃物、鋭利なもの。
そして…。
6, ひとりかくれんぼを終わらせるためのコップ一杯程度の塩水。
これがひとりかくれんぼで用意するものだ。
―ばからしい、だれもやらんわ。―女
ルキアやオウホウは本当に大事なぬいぐるみだしやる理由もない。
女はルキアとオウホウのぬいぐるみと一緒に布団をかぶった。
諸君、ひとりかくれんぼの正式なやり方を説明しよう。
進行方法はこうだ。
ぬいぐるみに名前をつけ、詰物を全て出して米と自分の爪を入れて縫い合わせる。
隠れ場所を決めておき塩水を用意しておく。
1, ぬいぐるみに対して自分が鬼をやると言って水を張った風呂桶にぬいぐる みをつっこむ。
2, 部屋中の照明を全て消してテレビだけ付け、砂嵐が出ている状態で目をつむり十数える。
3, ぬいぐるみの名前を言い刃物でぬいぐるみを傷つける。
4, ぬいぐるみを3度あおる。
5, 自分は塩水のある所に隠れる。
終了方法は塩水を持ってぬいぐるみに三度吹きかけ、勝ちを宣言しておしまい。
ぬいぐるみは終了時に燃やす必要があるらしい。
以上がひとりかくれんぼのやり方だ。
―この女がそんな気は無くとも難儀なことを忘れるな。諸君。
女が居る家は狭くてなぁ?
偶然が重なってぬいぐるみと(赤いもの)と米と自分と刃物とがたまたまご丁寧にそろっていたのだ。
女は夜中、下腹部を4本の血管の通った茶色の鳥手羽のような指で子宮の中を軽く引っかかれるイメージで目を覚ました。
―○○見っけ。―
それはルキアの声だった。
―赤いもの…諸君達は何だと思う?
それは本物の女の経血だとも…。
たまたまだったが女は月経だったのだ。
女は慌てて起きて周囲をよく見てみた。
場所はロフト、ここを寝床にしている。
1. ルキアとオウホウまず手足のあるぬいぐるみ。
2. ゴキブリが出るのが嫌なため、ロフトの上にぬいぐるみに詰めることが出来るどころかもはや埋まるほどの米。
3. 血を入れるというよりももはや自身の経血。
4. 爪どころかもはや自分自身(笑)
5. 刃物、これ実はあまり治安のよくない場所に女は住んでいてカギを開けられてロフトまで上がってこられたら困るため、たまたま護身用に包丁があったのだ。
6. 無いもの…塩。(アホかーッ!)―お守り(おまもり)からの突っ込み。
女本人も自身がもはや馬鹿でしかないことを悟らざるを得なかった…。
ちなみに…。
みえないひとみっけ…。
オウホウの声だな?
ナレーションの私まで巻き添えを食らう羽目になったわけだが。
私とつながった女は続いて心臓とは少しずれた胸をかるく握られるという気配を覚えた。
やはり5本のとりてばのような茶色い指。
―この女少々妙なことが出来る。―
女「オウホウ。ルキア、ちょっとその手見して。」
そう、イメージにも触れんのだこの女は。
女はとりあえず鳥てばのようになったオウホウとルキアの手のイメージの香りを嗅いでみる。
―――肉が腐ったような腐敗臭がする…。―――
ークトゥルフのホラーゲームのキャラクターが居たら皆こんな感じだと思うわ。
オウホウが念派で話す。
女 暁の力もあってマジもんの怪談をじっくりとながめまわす事が出来んのはありがたいけどなー。
―日本酒を買ってこい。刃物も片づけとけ。
ルキアの念派である。
―わかった、買ってきて朝になったら刃物は片づけとく。―
女は深夜だが日本酒を買いにコンビニへ向かった。
―決して自分からは恐いことをするな。―
女はルキアから注意をもらった。
そして妙なことに気が付いた。
無論、買い物に行くのに人形は持ってきていない。
―ルキア、遠くからでも話せるのね?―
はっとした。
ほほお、なるほどな、ひとりかくれんぼをやった後にぬいぐるみを燃やさんとならない理由はこれのことだな?―みえないひと
時間は深夜2時…。
はて、今日は何日だ?…7月3日。
あれ? 7月2日で計算すると深夜26時? 7月2日 7,2 なつ…夏。
―夏(なつ)―!
夏の課題はコレだな。
私は6月から今までやっていたうだつの上がらない物語を一旦止めて今、猛スピードでこれを書いている。
そして…。
―――ああ、掻き切った(かききった)…(書き切った)。―――
ひとりかくれんぼは終わった。
諸君に通告しておくがひとりかくれんぼは冗談でもやってはダメだ。
今回は偶然が重なったもろ実話でコレを書くことが出来た。
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