【ASMR】お料理上手な彼女は"キミ"とご飯が食べたい

エプソン

第1話・サクサクからあげ

//SE 鍋の油が跳ねる音


「ふぅんふぅんふぅんふぅん、ふぅんふぅんふぅんふぅん――」 

※鼻歌でベートーヴェンの第九を奏でる


//SE 大きく油が跳ねる音


「あっつ!?」 ※反射的な驚きで


「揚げ物はこれがなければなー」


「ん、でも良い感じ」


「どれどれ。試しにおひとつ」


「ふー、ふー、ふー」 ※息を吹き掛ける


//SE 揚げ物のカリッとした音


「ふぁふっ!? あっふ、あつ!」


「ん――――!!」 ※喜びに悶える


「ふぇぇ。しあわせー」


「こんな美味しいものをみんなで食べられたら、世界はもっと幸せになるのになぁ」


//SE 玄関が開く音


「あ、帰ってきたかな?」


//SE 駆け足で近づく音


「おかえりー。ご飯、もう少しで用意できるからちょっと待っててー」


「今日はね、唐揚げを作ったんだ。キミの好きなやつ!」


「こらっ、つまみ食いは禁止」


「すぐに準備するから、今のうちに手を洗ってきて」


「うん。素直でよろしい」


//SE 足音が徐々に遠ざかる

//SE 水道の音


「さて、と」


「盛り付け盛り付けー。大盛りキャベツにトマトを添えて、唐揚げ5つにレモンを1つ」

※嬉しそうに


「でーきたっ! 我ながら完璧だね」


//SE 水道が止まり、足音が近付いてくる


「ジャストタイミング。ご飯よそって貰える? アタシはお味噌汁の方をやるから」


//SE 炊飯ジャーの蓋が開く音

//SE お鍋の蓋が置かれる音


「そっちの会社はどう? そろそろ研修とか終わる頃合いじゃない?」


「そっか。まあ、あんまり焦ることないんじゃないかな。誰だって最初はそんなもんだよ」


//SE お椀に液体が注がれる音


「アタシ? アタシの方はまだまだ全然楽しくやってるよ。なんてったってご飯作るの好きだもん」


「飽きはしないかなー。職場で料理するのと、自宅で作るのでは違うから」


「そんなもんだよ」


「それにここで作るとさ。必ず”喜んでくれる人”がいるからね」


「ふふふ。顔赤くしちゃって可愛い」


「ほらっ、冷めないうちにご飯食べよ」


//SE 足跡

//SE お盆を机に置く音


「それじゃあ」


「いただきます」


「ふー、ふー」


//SE 味噌汁をすする音


「ふわぁ、心に染みる」


「そんなに幸せそうかなー。でもお味噌汁飲んでると落ち着かない?」


「でしょう? お米とお味噌汁は日本人の心なんだよー」


「唐揚げも食べて食べて。今日のは結構自信作だよ」


「衣に米粉を混ぜてあるからサクサクってするんだよー。今日チーフに教えて貰って、試してみたくてさ」


「まあ作ってみたかったってのもあるけど、一番はキミに喜んでもらいたくて……」 


「にゃはは、揚げ物してたから火照っちゃったかな」 ※少し照れながら


「さてアタシも――」


//SE 唐揚げのサクサク音


「んんんんんんっっっっ!!」


「揚げたても良かったけど、ちょっと時間経ったのも美味しいね」


「ズルいってそんな。味見は作る人の特権だよ」


「そんなに悔しがらなくても良いじゃん。こうやって一緒に食べる方が何十倍も美味しいよ」


「そこまで言うんだったら、もう少し早く帰ってきてよ」 

※ほんのちょっと切なそうに


「ごめんなさい、今のはズルかったね」


「味濃いめに作ったから、ご飯との相性もぴったりだね。冷めてもサクサク感は残るみたいだし、明日のお弁当も楽しみにしててね」


「どういたしまして」 ※心から幸せそうに


「リクエストがあったらなんでも言ってね。頑張って作るから」


「アタシが欲しいって、もう!」


「……変なこという子にはおかわりは上げないよ。アタシが全部食べちゃう」

※やんわり呆れながら


「あー! 太るは禁止用語! ただでさえ気にしてるんだからー!」 ※少しだけ語気強めに


「あーあ、喜んで貰いたい一心で作ってるのにやる気なくなっちゃったー」


「聞こえませーん。もっともっと。もーと本気で来て」


//SE 椅子と床が擦れ、テーブルが強く揺れる音


「んんんっ!?」 ※驚いた風で


「ちょっと近いかなー?」


「ごめんなさい。調子乗っちゃった」


「そういうのはあとで。今はご飯食べよ」


//SE 椅子と床が擦れる音

//SE 唐揚げのサクサク音


「この味ならレモンは要らなかったね。ちょっと合わないかも」


「必要ってどうして? もしかして栄養面とか気にしてた?」


「初恋の味って、もうお互い知り合ってから何年経ってると思ってるの。もう馬鹿なんだから」 

※照れと呆れが混じった風に


「でも、キミのそういうところも好き」


「明日も一緒にご飯食べようね」


//SE 手を合わせる音


「ごちそうさまでした」


―――――――――――――――

次回はカレー回です!

暑い時こそスパイスカレーを食べて、英気を養っていきましょう!

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