町娘

第2話

「時雨ちゃん、団子一つくれねぇか」




その声に、はーい、と返事する。




ピンクと白と緑の三色団子をすぐに持っていくと、近所で魚を売っている勘造さんは喜んで頬をゆるましてくれた。




一口食べて、うーん、と唸る。




「やっぱり時雨ちゃんの団子は最高だねぇ」




「ありがとうございます!」




勘造さんはパクパクと団子を食べるとごちそうさま、と言って立ち上がった。




「今日はお忙しいんですか?」




「ああ。なんたって今日は魚を買いにくる人が多くてなあ。いやあ、ありがたいことだ」




勘造さんがまた頬をゆるませる。




つられて私も笑顔になった。

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