第2話 部外者と関係者

「落ち着いて聞いてね〜 ミモザは死んだ。私が発見したから嘘じゃない。」


「...」


アリスさんにガーベラそして私はあの場で気絶したダリアちゃんを運んでホテルに戻り、アリスさんからその話を聞いた。


ミモザ


その人は『セイクリッド』の一員だということしか知らない。


けれどアリスさんはいつもより表情がかたいからアリスさんにとって彼は大切な人だったんだと思う


「...任務失敗っていえばいいのかな〜。あの人は死んじゃったし、彼が保護しようとしていた魔法使いはさっき処刑が決まっちゃったし〜」


「え?さっき決まった...?ということはフリージアって呼ばれてた子ですか?」


「うん、そうだよ〜 あの人の死体の近くにそれが書かれたメモがあってね〜」


(そっか。ミモザさんはフリージアちゃんを保護しようとしてたんだ。けど、何かがあって殺された。)


「それで〜あの人の死体を見てわかったことは〜『教会』の連中が殺したわけではないってこと」


「『教会』はあんな風な殺しはしない〜。するなら見せしめをすると思うし〜それにあの人が簡単に殺されるわけないし〜 あ~あとそれに〜...」


「ガーベラちゃん。アリスさん、いつもと様子が違うね」


「ええ、そうね。これは焦っている...のかしら」


「...ちょっと〜聞こえてるよ〜」


アリスさんはこっちを少しにらんでそういった。


「まあ...それは今は置いといて〜どうする?フリージアちゃん...処刑されちゃうよ〜?助けるのは無理だし〜。」


「え!?アリスさん。私達の任務は彼女のような魔法使いを保護することですよ!?なんで、助けないんですか!?」


「リリアンちゃん。わかるよその気持ち。私だって助けたい...けど、私達まで巻き込まれるよ。...それに〜レイラから「教会には突っ込むな」って言われてるしね〜」


(そんな...助けることもできないの...?)


「けど〜見ることならできるよ〜...まあ、胸糞は悪いだろうけどね〜」


「え...アリスさん。私とリリーは何を見ることならできるんですか?...まさか、『処刑』ですか...?」


「正解〜ガーベラちゃんは頭が良いから理解が早くて助かるね〜」


「...本当に、他の方法はないんですか!?私は嫌です!ただただ見るだけなんて」


「...リリアンちゃん。嫌でも何でも、私達は見ることしかできないんだよ。その気持ちは、君も知ってるでしょ」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――「リリアン!逃げて!お母さんのことはいいから!速く!!!」


「いやああああああ!!!!姉さんが...姉さんが化物に...誰か助けてえええ」


「うわあああああああ!?くるなぁあ化物!?」


人々の悲鳴、周りが真っ赤に染まっていく。


人々は逃げていった。化物があらわれたから。


そしてその化物は


―――私のお母さんの胸を貫いていて


私は動けず、お母さんが息をしなくなるまでその場にいることしか、できなかった


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「...はい、そうですね。」


「わかったならいいよ〜 ガーベラちゃんもいいよね~?」


「...はい」


「とはいっても〜私達はそんなに辛くなることはない。だって...私達は部外者だから。」


アリスは気絶しているダリアちゃんの頭を撫でた


「この件で1番辛いのは、きっとこの子だよ〜 なにせ、この子は関係者なんだから」


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