【ネットの海に咲く恋の花】~さよならの向こうの物語~

神崎 小太郎

前書き 夏の終わりに

 静寂の空に輝く一番星。慰めの旋律がそっと流れる夜の部屋で、僕はひとりの書き手に出会い、言葉の灯に救われた。


 気づけば、いつしか僕自身も綴る人になっていた。その言葉が、知らぬ間に誰かの心をそっと救っていたことを――

 きっと伝えることなく、彼女はページの向こうへと消えていった。


 けれど、忘れ去られたように見える物語のかけらは、今も胸の奥深くで、かすかな光となって息づいている。


 僕は、これからも書き続ける。


 あの夜の救いを抱いたまま、「さよなら」の向こう側で灯されたその光が、今も消えずに、やさしく僕の道を照らしているから。


 *


 本作は、第二回さいかわ葉月賞のテーマ「夏」に寄せて綴った短編です。実話と空想を半分ずつ織り交ぜております。どうぞ最後まで、ゆっくりとお楽しみください。

 



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